2016 Fiscal Year Research-status Report
網羅的エクソーム解析による細胞傷害性抗がん剤感受性マーカーの同定
Project/Area Number |
16K18445
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
宇田川 智野 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター, 客員研究員 (20774160)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | xenograft / 抗がん剤 / pharmacogenomics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん化学療法において中心となって使われている細胞傷害性抗がん剤の感受性を予測するための遺伝的マーカーを同定し、がん患者一人ひとりに最適な抗がん剤治療を提供することを目的とする。 9種類の細胞傷害性抗がん剤(Mitomycin C, Cyclophosphamide, Nimustine, Cisplatin, Adriamycin, Vincristine, Vinblastine, 5-fluorouracil, Methotrexate)感受性データを有するnude mouse xenograft 59例を用いて、409がん関連遺伝子のエクソン領域のターゲットシーケンスを行った。得られたリードはヒトリファレンス配列とマウスリファレンス配列にそれぞれマッピングし、ヒト由来と判定されたリードのみを用いて変異を検出した。検出されたsingle nucleotide variant (SNV)のallele frequencyに応じて、xenograftを3群に分類し、抗がん剤感受性との関連解析を行った。さらに、遺伝子発現量と抗がん剤感受性の関連解析も行った。感受性との関連が示唆されたSNVについて、別のxenograft 20例より抽出したDNAを用いて追試を行い合計35 SNVsを抗がん剤感受性予測マーカーとして同定した。そのうち2つは複数抗がん剤において感受性との関連が示された変異であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた通り、がん細胞におけるがん関連遺伝子変異の同定および抗がん剤感受性との関連解析を行い、各抗がん剤感受性予測マーカー候補を同定後、追試を行いマーカーとなる変異を同定した。
|
Strategy for Future Research Activity |
抗がん剤感受性マーカーとして同定された遺伝子変異が機能へ及ぼす影響、また抗がん剤感受性との関連メカニズムについて分子生物学的手法を用いて解析を行う予定である。また、臨床検体を使用してマーカーとしての有用性を検証する予定である。マーカーとして有用であると考えられる変異を組み合わせて解析を行い、予測精度の向上を目指す。
|
Causes of Carryover |
遺伝子変異解析に用いた試薬、解析代金が当初の見積もりよりも安価となったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に予定している遺伝子変異の機能解析において必要となる試薬等の購入にあてる。
|
Research Products
(2 results)