2018 Fiscal Year Annual Research Report
T790M-Selective EGFR-TKI Combined with Dasatinib as an Optimal Strategy for Overcoming EGFR-TKI Resistance in T790M-Positive Non-Small Cell Lung Cancer
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16K18461
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
吉田 健史 近畿大学, 医学部, 講師 (40548632)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子標的治療 / 薬剤耐性 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFR陽性非小細胞肺癌に対してはEGFR-TKIが著効するがT790M遺伝子による獲得耐性が臨床的な問題となっている。我々は以前の研究でSrcがT790M存在下におけるco-driverとして重要であることを確認した。本課題ではEGFR-T790M陽性肺癌細胞株を用いて、第三世代EGFR-TKIであるASP8273およびオシメルチニブとSrc阻害薬ダサチニブの併用効果についてin vitroおよびin vivoで検討した。ダサチニブはASP8273およびオシメルチニブとの併用において単剤と比較して相乗的な細胞増殖抑制効果を示しアポトーシスも有意に増加させた。またダサチニブとオシメルチニブの併用はin vivoにおいても単剤と比較して有意に腫瘍増殖を抑制した。ダサチニブはSrcの抑制を介してBcl-xLを低下させアポトーシスを誘導することで、T790M陽性肺癌細胞株において第三世代EGFR-TKIの抗腫瘍効果を増強させることが示唆された。今後、臨床試験における第三世代EGFR-TKIとSrc阻害薬の併用効果の検証が待たれる。また我々はT790M耐性遺伝子を持つ肺癌細胞(PC9GR・H1975細胞など)にASP8273を低濃度から徐々に濃度を上げながら暴露させ、3か月以上継代を継続する事でこれらの薬剤に対する耐性細胞株を樹立した。また今後非小細胞肺癌の1次治療から第三世代EGFR-TKIを用いる事も想定し、EGFR遺伝子変異Ex19陽性かつT790M陰性(EGFR-TKI獲得耐性なし)であるPC9細胞からも同様の手法を用いて第3世代EGFR-TKI耐性株を樹立した。現在遺伝子やリン酸化蛋白の網羅的解析を行うことで、これらの耐性細胞株の耐性機序の解析が進行中であり、今後の臨床に寄与する成果が期待される。
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