2018 Fiscal Year Annual Research Report
An investigation into the genetic diversity of the Japanese pond turtle, Mauremys japonica.(the effects of intraspecific and interspecific hybridizations.)
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16K18607
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鈴木 大 東海大学, 生物学部, 講師 (90647489)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 交雑 / カメ / DNA / マイクロサテライト / 外来種 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本列島に広く生息する淡水性カメ類の1種である日本固有種ニホンイシガメ(Mauremys japonica)の集団遺伝解析を実施した。マイクロサテライトマーカーによる解析の結果、ミトコンドリアDNAを用いた先行研究結果と概ね一致する傾向がみられた。一方、同じく日本列島に生息するが、国外由来の外来種であるとされるクサガメ(M. reevesii)の日本列島集団および、ニホンイシガメとクサガメの交雑個体についても同様の解析を行った。クサガメは2系統が確認され、それらは中国系統と韓国系統と見られた。山口県の集団は両系統が遺伝的交流をしていることが示唆された。本研究により、日本国内に生息するニホンイシガメとクサガメの両種における遺伝構造が明らかになり、さらに両種の遺伝的変異に基づく地理的分布構造パタンは異なっていた。これは、ニホンイシガメが日本固有種であり、一方のクサガメ日本列島集団は外来起源である、という違いによるものであることが示唆された。 2018年度は、野外調査として、島根県の隠岐(島後)にてカメ類の採集を実施した。文献記録ではニホンイシガメが生息しているとされていたが、調査期間中にクサガメや交雑個体が確認されたものの、ニホンイシガメは未確認であった。さらに調査地北米原産の外来種ミシシッピアカミミガメが数多く確認された。したがって、外来種の侵入により、隠岐のニホンイシガメは個体数を急激に減らしていることが考えられた。また、本年度の研究成果の一部について、第6回淡水ガメ情報交換会、北海道爬虫両棲類研究会第7回大会、 6th Turtle Evolution Symposiumにおいて研究発表を実施した.
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Research Products
(4 results)