2016 Fiscal Year Research-status Report
気候変動・分断化が進むアジアの森林の将来像:大規模野外データと群集モデルの結合
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16K18719
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 正恵 (石原正恵) 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (90594367)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 樹木群集 / インドネシア / 形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
気候変動により森林を構成する樹木の種類が変わることが危惧されている。このような種組成の変化は人間社会に様々な影響を及ぼすため,将来の種組成を予測することが求められている。従来の予測モデルは,樹木の分布が気候などの環境条件で決まるという環境制限を前提としている。樹木の分布を決めるもう一つのメカニズムである散布制限(樹木の種子の散布距離が制限されていること)は無視されてきた。しかし,今日では各地の森林が分断化され,散布制限の重要性が高まっている。本研究は,環境制限と散布制限とを統合した群集モデルと大規模野外データとを結合し,将来の気候および森林の分断化の進行によって,アジアの熱帯から亜寒帯までの森林の種組成が実際にどのように変化するのかを予測する。 本年度は群集モデルの開発に必要なデータの収集を行った。日本国内のデータについては、西日本の森林データが不足していたため、野外調査を行いデータを収集した。さらに国内の毎木データの整理や共同研究者とモデルの開発について打ち合わせを行った。インドネシアで来年度に野外調査を行うため予備調査を行った。ボゴール植物園やスマトラ島での形質調査やインドネシア全国のインベントリデータの利用のため、カウンターパートに会い調査許可取得にむけた相談を行った。またインドネシアでの調査経験者との研究相談を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児休暇を半年取得したため当初の予定通りには進まなかったものの、国内外でのデータ収集を進め、また予備調査や形質データを集めるための文献を入手した。
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Strategy for Future Research Activity |
国内のデータ収集を終わらせ、群集モデルの開発を共同研究者と進める。海外の群集データを収集するために野外調査を行い、文献から形質データを収集する。
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Causes of Carryover |
育児休暇を取得したため当初予定していた野外調査を行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降に野外調査を行い、調査補助者を雇用し、調査を行う。
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