2017 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能を有したヒトiPS細胞由来血液脳関門モデルの構築
Project/Area Number |
16K19033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山水 康平 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (00589434)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ヒトiPS細胞由来血管内皮細胞の誘導 これまで申請者らは、血管系列の分化発生過程を段階的にかつ単一細胞でも解析を可能とするマウスES細胞・マウスiPS細胞の新しい分化誘導法を確立した。また、この分化誘導系を用いて、セカンドメッセンジャーであるcAMPの分化発生過程における様々な役割を解明してきた。そこで我々は、これまでのマウスES細胞・マウスiPS細胞からの血管内皮細胞の誘導のノウハウを生かし、ヒトiPS細胞からの血管内皮細胞の誘導を試みた。様々な条件検討の結果、まず血管内皮細胞の前駆細胞を効率的に誘導することに成功した。血管内皮細胞の前駆細胞のマーカーであるVEGFⅡ型受容体(KDR)陽性の細胞を80%以上誘導できる系を構築した。このKDR陽性細胞をFACSまたはMACSで純化し、cAMPやVEGFといった血管内皮細胞を誘導する因子を処置することにより、100%に近い血管内皮細胞の誘導に成功した。2.ヒトiPS細胞由来ペリサイトの誘導 上記の血管内皮細胞の誘導法を応用し、ペリサイトの誘導を試みた。KDR陽性細胞を血清条件(血管内皮誘導因子なし)で培養することによりペリサイトを約100%誘導することに成功した。3.ヒトiPS細胞由来神経細胞の誘導 ヒトiPS細胞より神経細胞を効率的に誘導する分化誘導系の構築を試みた。笹井先生らが開発した神経細胞誘導を参考にしてヒトiPS細胞からの神経細胞誘導を行い、効率的な神経細胞の誘導に成功した。4.ヒトiPS細胞由来アストロサイトの誘導 ヒトiPS細胞よりアストロサイトを効率的に誘導する分化誘導系の構築を試みた。笹井先生らが開発した神経細胞誘導を参考にしてより長期培養およびPassageを繰り返すことでヒトiPS細胞からのアストロサイト誘導を行い、効率的なアストロサイトの誘導に成功した。
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