2016 Fiscal Year Research-status Report
コロニー刺激因子群による脊髄グリア細胞活性化機構と神経障害性疼痛誘発の多角的解析
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16K19220
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大久保 正道 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70581495)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / マイクログリア / コロニー刺激因子 / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はコロニー刺激因子群(CSFs)が神経障害性疼痛モデルの脊髄マイクログリア増殖に関与するか否か、神経障害性疼痛に関与するか否かを検討することである。これらについて精査し、以下の成果の発表および途中経過の結果が得られている。 1.末梢神経損傷によりその受傷ニューロンにおいてCSFの一つであるmacrophage-CSF(M-CSF)が発現増加して、受傷髄節の脊髄後角に存在するマイクログリアの細胞分裂誘導を誘発し、数的増加を惹起させる一要因であることを発見し、さらに、マイクログリアの増殖を抑えることにより神経障害性疼痛が改善することも見いだした。この成果は国際雑誌であるPLOS oneに発表した。 2.他のCSFs(G-およびGM-CSF)について現在検討を進めている。その結果、G-およびGM-CSFは後根神経節や脊髄に存在しないが、これらの受容体は脊髄マイクログリア特異的に発現することを見つけた。そこでG-, GM-CSFを髄腔内への投与を試みたところ、GM-CSFも脊髄マイクログリアを増殖へ誘導し得る結果を得ている。今後、より詳細な精査の上、学会活動および論文発表をし、成果を社会に還元する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
末梢神経損傷による神経障害性疼痛の発症メカニズムを脊髄マイクログリアの増殖に求めた。その結果、受傷した一次求心性神経のニューロンでM-CSFの発現が増加して同髄節の脊髄後角に運ばれ、マイクログリアに発現するM-CSF受容体に結合することでマイクログリアが分裂を開始することを見つけた。この課題は、当初の計画以上に早期に結果が得られ、既に研究成果を国際雑誌PLOS Oneに発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
他のCSFs(G-およびGM-CSF)もM-CSF同様に脊髄マイクログリアの増殖、神経障害性疼痛への関与するか否かについて現在検討を進めている。今後さらに実験を重ね、論文発表をし、成果を社会に還元出来るよう最大限努力する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の試薬購入費用に充てるため、差異が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CSFリコンビナント等、必要試薬を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)