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2016 Fiscal Year Research-status Report

新たな多発性内分泌腫瘍症1型原因遺伝子CDK2並びにCDK3の発見

Research Project

Project/Area Number 16K19551
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

堀口 和彦  群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10737943)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords多発性内分泌腫瘍症1型 / サイクリン依存性キナーゼ / 遺伝子変異
Outline of Annual Research Achievements

多発性内分泌腫瘍症1型の新規原因遺伝子候補であるCDK2M196T遺伝子変異、CDK3R122W遺伝子変異、CDK3P204S遺伝子変異について、in vitroで検証するため、これらの遺伝子変異発現ベクターを作成し、マウス膵インスリン産生腫瘍細胞株であるMIN6細胞株へこれらの変異ベクターの導入をおこなった。G418にて選別し、安定発現細胞株の樹立を行なった。同時にCDK2、CDK3の野生型を安定的に発現するMIN6細胞株も樹立し、発現量のことなる細胞株をCDK3遺伝子の野生型以外それぞれ2系統ずつ樹立した。
これらの細胞株を用いて、細胞周期解析を行なうと、CDK3P204S変異発現細胞株では、CDKM196T変異発現細胞株と比較してG1/G0期の細胞数の減少と、M期、S期の細胞数の増加が認められた。MTTアッセイで増殖能を検討したところ、CDK3P204S変異発現細胞株では、CDKM196T変異発現細胞株と比較して細胞増殖能が上昇している結果が得られた。
細胞周期の変化が確認できたため、次にRb蛋白質のリン酸化について検討したが、CDK3P204S変異発現細胞株とCDKM196T変異発現細胞株では、Rb蛋白質のリン酸化に大きな違いは見られず、Rbのリン酸化の活性化を介する経路とは異なる経路で、CDK3P204S変異は細胞周期を活性化している可能性が考えられた。
CDK2M196T 変異についても、CDK3と同様の検討を行ったが、CDK2野生型と比較して、CDK2M196T変異発現陽性細胞株は、細胞周期、Rb蛋白質の発現共に、有意な差は見られず、CDK2M196T変異は、腫瘍発症への影響は少ない可能性が考えられた。また、CDK2、CDK3遺伝子変異すべてで、インスリン分泌については、有意な差は認められず、インスリン分泌への影響は軽微である可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していたMIN6細胞を用いた安定発現細胞株の樹立について、CDK2野生型、CDK2M196T変異、CDK3P204S変異、CDK3R122W変異については安定発現細胞株の少なくとも2系統の樹立が行なえたが、CDK3野生型に関しては、100株程度のコロニーの採取をおこなったにも関わらず、安定発現細胞株の樹立ができない状態となっているため、in vitroでの実験が遅れている。樹立できない原因として、樹立し、早期に発現はしているもののその後発現が確認できなくなってしまうと言う状況が続いており、何らかの細胞毒性が働いてしまっているかの可能性が考えられている。
また、in vitroでの解析が遅れているため、本年度作成を予定していた、CDK2、CDK3遺伝子変異のトランスジェニックマウスの作成についても、遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

本年度遅れの原因となっているCDK3遺伝子野生型を発現するMIN6細胞安定発現細胞株について、ベクターの作成から再度検討し、早期の安定発現細胞株の樹立をはかる。すでに、CDK3P204S変異については、CDK2野生型、その他の変異発現細胞株と比較して、細胞周期の活性化と、細胞増殖能の増加が確認できており、CDKP204S細胞株とCDK3遺伝子野生型で、これらの違いが確認でき次第、当初の予定である変異トランスジェニックマウスの作成へと移行していく。
トランスジェニックマウス作成後は、当初の予定通り、リアルタイムPCR法や、ウェスタンブロット法により、マウスにおいても、細胞周期に関連する遺伝子の発現量の変化を検討したり、血液検査にでホルモン分泌の変化について検討を行う。また、膵内分泌腺や、下垂体といった多発性内分泌腫瘍症1型に関連する臓器のcDNAマイクロアレイ解析などを行い、変化する遺伝子群を同定することにより、腫瘍発症へ関与するシグナルパスウェイを明らかにすることから、CDK3遺伝子変異が多発性内分泌腫瘍症1型における腫瘍発症機構への関与の解明へとつなげていく。
また、細胞株樹立後は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤を用いたin vitroでの検討により、これらの阻害剤が内分泌腫瘍抑制に効果が期待できるか検討を開始する。

Causes of Carryover

当初より、トランスジェニックマウスを用いる研究計画であり2年間にわたる多年度研究計画であることから、次年度使用額が生じている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、当初予定していたCDK3遺伝子変異のトランスジェニックマウスの作成を完了し、そのマウスを用いた解析として、膵内分泌臓器、下垂体などの臓器を用いたリアルタイムPCR法、ウェスタンブロット法の試薬に経費が必要となる。また、これらの臓器でのcDNAマイクロアレイ解析も予定してるため、比較的大きな金額が必要となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Whole-Exome Sequencing Study of Thyrotropin-Secreting Pituitary Adenomas.2017

    • Author(s)
      Sapkota S, Horiguchi K, Tosaka M, Yamada S, Yamada M.
    • Journal Title

      Journal of Clinical Endocrinology & Metabolisim

      Volume: 102 Pages: 566-575

    • DOI

      10.1210/jc.2016-2261.

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 多発性内分泌腫瘍症(MEN)1型における新たなCDK2・CDK3遺伝子変異の発見とその意義2016

    • Author(s)
      堀口和彦
    • Organizer
      第89回日本内分泌学会学術総会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館
    • Year and Date
      2016-04-21 – 2016-04-23

URL: 

Published: 2018-01-16  

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