2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of serum Vitamin D levels and first immunoglobulin reactivity in Kawasaki disease patients
Project/Area Number |
16K19647
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 康夫 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師(特命) (00593302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 川崎病 / 治療反応性 / ガンマグロブリン / 血清ビタミンD濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンDは, 皮膚で合成される物質で食品からも摂取される. 主な生理機能は, 腸管からのカルシウムの吸収と骨へのカルシウムの取り込みであるが, 近年免疫抑制作用を有することが報告されている. 当院に入院した非炎症性疾患群を健康対照群(15例)とし, 肺炎などの発熱疾患を疾患対照群(27例)とし, 川崎病群(100例)における血清ビタミンD濃度を比較した. また川崎病100例を川崎病初回IVIG治療が効いた群と効かなかった群に分けた. 初回奏功群と不応群における臨床症状, 血液検査結果, 血清25 (OH) D濃度, 血清ビタミン結合蛋白濃度を比較検討した. 結果:健康対照群(15例), 疾患対照群(27例), 川崎病群(100例)における血清ビタミンD濃度は有意差を認めなかった. 川崎病群の治療反応性は, 初回ガンマグロブリン療法が効いた群71例, 効かなかった群29例であった. 単変量解析では, 効かなかった群は効いた群に比し, 男児が多く, 群馬スコア, 大阪スコアおよび好中球分画 (%) は有意に高値であった. 血清25 (OH) D濃度, Na濃度およびリンパ球分画 (%) は有意に低値であった. フローサイトメトリー法を用いて単球、リンパ球の活性化, 血清ビタミン結合蛋白濃度は有意差を認めなかった. 多変量解析では, 男児, 好中球分画 (%) , 血清25 (OH) D濃度が不応群に関連した因子となった. 結論:川崎病患児において血清ビタミンD濃度は, 初回ガンマグロブリン治療反応性へ関与している可能性があると考えた.
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