2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the pathophysiology of attention deficit based on glial cell line-derived neurotrophic factor
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16K19750
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
新津 富央 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (90456054)
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2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | グリア細胞株由来神経栄養因子 / 注意障害 / 気分障害 / 双極性障害 / 大うつ病性障害 / バイオマーカー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神疾患に伴う注意障害におけるグリア細胞株由来神経栄養因子（GDNF）の役割とそのバイオマーカーとしての可能性を探索し、注意障害の病態を解明することである。注意障害を伴う精神疾患（気分障害、注意欠如/多動性障害：ADHD）患者を対象に、生体サンプル採取と注意機能測定とを行い、生体内のGDNF濃度と注意機能との関連を探索する。
注意障害は多くの精神疾患に共通して認められる。正常な注意機能は、ボトムアップ的に、より高次の精神機能である情報処理や記憶、遂行機能を支えている。そのため、注意障害は患者の日常生活や就労に大きな影響を与えており、社会経済的影響も大きい障害といえる。よって、注意障害の病態解明および治療法の開発は、精神医学のみならず社会的にも重要な課題といえる。
平成30年度は「①注意障害と血液中GDNFやドパミン代謝産物等との関連についての横断的観察研究」に関する被験者リクルートを実施した。気分障害患者（双極性障害34名、大うつ病性障害36名)、および健常者43名のサンプルを測定した。その結果、血清中GDNF値は双極性障害群と大うつ病性障害群は健常者群と比較して優位に低下していた(p<0.05)。しかし、双極性障害群と大うつ病性障害群の血清中GDNF値には優位差は認めなかった。双極性障害群では、血清中GDNF値がリチウム抵抗性と関連することを見出した。これは血清GDNFが気分障害の病態生理に関連があることを示唆した結果である。本結果を第45回日本脳科学会、および国際双極性障害学会（ISBD2019）において発表し、現在論文発表の準備をしている。
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