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2016 Fiscal Year Research-status Report

Evaluation of renal oxygen saturation using photoacoustic imaging for the early prediction of chronic renal function in a model of ischemia-induced acute kidney injury

Research Project

Project/Area Number 16K19813
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

奥村 健一朗  金沢大学, 附属病院, 医員 (30743447)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords光音響画像 / 組織酸素飽和度 / 腎虚血
Outline of Annual Research Achievements

光音響イメージングは近赤外線を用いた非侵襲的イメージング手法として、生体あるいは医用画像への応用が期待されている。光音響イメージングでは、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの差異を検出する事による組織内酸素飽和度の測定が可能である。組織の酸素飽和度の評価は虚血再灌流障害という病態において本質的な要素にも関わらず、現在臨床で広く応用されてる様々な画像診断(CT、MRI、US)では直接組織酸素飽和度を評価するに至っていない。
中でも臨床において急性腎障害は、腎虚血再灌流障害がメカニズムとして考えられているものの、生体内での微小レベルでの腎虚血の評価方法は確立されていない。腎虚血再灌流障害は、糸球体濾過機序の急激な変化により生じた腎臓の排泄障害と定義される病態であり、特に腎皮髄境界部髄質は局所の酸素分圧が低いことが実験動物では知られており、最も虚血・再灌流に弱い部位と言われている。進行すると間質線維化へと進展し慢性腎障害に至る。現在までその病態発症や進展機構に対する様々な実験検討がされてきたが、明確な予測因子や予防薬はなく、腎血流量改善薬と言われるドパミン、カルシウムチャネルブロッカーに関しても明確な臨床的有用性は得られていない。
非侵襲的に腎虚血を評価することは、急性腎障害のメカニズム解明、早期診断、予後判断に重要である。本研究では、非侵襲的な画像検査である光音響イメージングを用いて生体内における腎臓内酸素飽和度とその変化の可視化および定量化を行い、急性腎障害との関連を評価することである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マウス生体内での自然呼吸下、酸素投与下における正常腎臓の組織酸素飽和度の定量化を行うことから着手した。体表および外科的に露出した腎臓に対して、自然呼吸下および、酸素投与下において腎実質内の組織酸素飽和度の経時的変化を追跡しようと試みた。まずは確実に酸素飽和度が変化する皮下組織に置いて評価したところ、自然呼吸下と酸素投与下において連続的に観察したことろ、組織酸素飽和度の変化を得ることに成功し、光音響システムにおける組織酸素飽和度の評価に正当性があると考えられた。
さらに、マウスモデルにおける外科的腎動脈結紮術による、腎虚血再灌流と組織酸素飽和度の変化の定量化と腎機能及び組織学的な腎障害の評価を行うべく検討していった。
ペントバルビタール腹腔内投与による麻酔、イソフルラン吸入麻酔(2%/min)などを用いた沈静下にて、腎虚血モデルの作成を行った。腹臥位にて背部切開により腎動静脈根部を確認し、腎動静脈を結紮し阻血状態を生じさせ、一定の時間の虚血の後に再灌流させた。結紮時間は異なる虚血程度を設けるため、30 分、45 分、60 分の3 群を作成し、計測は虚血前、虚血中、虚血直後、および腎虚血術1日後、3 日後、7 日後、14 日後、1 ヶ月後と定期的に酸素飽和度を定量することとしていた。これに関しては、阻血時との比較で十分な画像上の酸素飽和度低下を得たが、長期経過における組織酸素飽和度に関しては定量化により不均一なデータが見られ、まだ検討の余地があり、確立するに至っていない。

Strategy for Future Research Activity

初年度に引き続き、腎臓における酸素飽和度の関連を確立すべく、沈静下におけるマウスの腎虚血の程度を評価する。鎮静方法や、自然室内の酸素飽和度などできる限り、組織酸素飽和度に影響を与えうる因子を検討、排除した上で、繰り返し画像と組織酸素飽和度の一致の確立に向けて検討していく。その上で、腎血流量改善薬投与による、マウス腎虚血再灌流モデルにおける組織酸素飽和度の変化の定量にも着手する。腎機能及び組織学的な腎障害の評価も同時に行う。
マウス腎虚血再還流モデル作成時に、再灌流時に腎血流量を増加させる薬剤として知られているドブタミンあるいはカルペリチド等を尾静注投与し、腎酸素飽和度改善の有無を検討する。初年度と同様に、腎動静脈を結紮し阻血状態を生じさせ、その後再灌流させる。結紮時間は異なる虚血程度を設けるため、30 分、45 分、60 分の3 群を作成する。計測は虚血前、虚血中、虚血直後、および腎虚血術1日後、3 日後、7 日後、14 日後、1 ヶ月後と定期的に酸素飽和度を定量する。1 ヶ月後の測定の後に、マウスを屠殺し、腎臓を摘出する。ヘマトキシリン-エオジン染色、線維化を評価するアザン染色、EVG 染色を行い腎虚血に伴う線維化の程度を評価し、光音響イメージングで認められる組織酸素飽和度との相関性を検討する。

URL: 

Published: 2019-12-27  

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