2016 Fiscal Year Research-status Report
ブドウ球菌外毒素およびバイオフィルムによる好酸球性副鼻腔炎の病態制御機構の解明
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16K20250
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
春名 威範 岡山大学, 大学病院, 医員 (70646182)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ブドウ球菌 / 外毒素 / バイオバンク / バイオフィルム / 好酸球性副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
①ブドウ球菌バンクの構築 1)標本の採取:好酸球性副鼻腔炎患者の中鼻道より粘液を採取する。2)黄色ブドウ球菌/コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)の分離同定:鼻汁をマンニット食塩寒天培地に接種し、黄色のコロニーを認めた場合は黄色ブドウ球菌、白色のコロニーを認めた場合はCNSとして分離する。3)ブドウ球菌バンクへの登録:分離した菌株を連結可能匿名化した患者情報と共にバンク登録し、凍結保存する。 ②中鼻道検出ブドウ球菌のδ毒素およびSEA発現に関する解析 1)外毒素発現:δ毒素については現在までに蛋白レベルで検出できるシステムがないため、ブドウ球菌コロニーよりPCR法によってδ毒素コードDNA保有の有無を検討する。SEAについては細菌毒素検出キットを用いてTSST-1など他のスーパー抗原型毒素と共に蛋白発現を検出する。さらにPCR法によってSEAコードDNA保有の有無をチェックし、蛋白発現との相違を解析する。2)外毒素発現の臨床的意義:ブドウ球菌バンクに登録した臨床データに基づき、δ毒素およびSEA発現が好酸球性副鼻腔炎の重症度や臨床徴候と関連するか解析する。 ③鼻副鼻腔粘膜構成細胞のδ毒素やSEAに対する応答性に関する解析 1)細胞の分離・培養:鼻茸および鉤状突起をコアグラーゼを含む酵素処理し、分離細胞を樹立する。選択培地やビーズ処理などにより分離細胞から上皮細胞、線維芽細胞、自然リンパ球などの細胞を単離する。2)δ毒素やSEAに対する応答性:これらの細胞をδ毒素およびSEAにて刺激し、IL-5、IL-13、IFN-γ、IL-10、IL-17A、IL-22などのサイトカイン産生(ELISA)、脱顆粒(β-ヘキソサミニダーゼ定量)、IgE産生(ELISA)などの変化を観察する。さらに応答の程度と臨床徴候との関連を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
δ毒素については検出が困難であり側面があり現在検出について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
δ毒素の検出方法について文献的検索などを行い、検出方法について検討していく。
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Causes of Carryover |
消耗品が安価で購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集および論文作成に必要な経費に使用予定である。
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