2016 Fiscal Year Research-status Report
移植後安定性を考慮した馬蹄形軟骨再生による気管再建法の確立
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16K20285
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
末吉 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (60569359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気管軟骨 / 軟骨細胞 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、軟骨細胞の分離培養を行った。全身麻酔下に成犬(ビーグル)の耳介から5×5mm2の耳介軟骨を採取した。採取した軟骨片を細切し、酵素処理を行い軟骨細胞を分離した。分離した軟骨細胞を回収し、5%CO2 37℃のインキュベーター内で培養した。培養液はDMEM(Dulbecoo`s Modified Eagle Medium)に10%仔牛血清(fatal bovine serum:FBS)と抗生剤(Streptomycin, Penicillin)を加え作製した。細胞が90% confluentになるまで培養した後、継代を行った。培養中は位相差顕微鏡で細胞の形態を観察した。細胞の継代は1回のみ行い、4×100000000個の軟骨細胞を回収した。 次に、軟骨細胞の形態を観察と3次元培養を行った。2次元培養では軟骨細胞は培養皿の底面に接着し 扁平で細長い形状で増殖した。3次元高密度培養を行った培養組織内には位相差顕微鏡で観察すると類円形の細胞を密に認めた。固定、包埋後の組織学的検討では、類円形の細胞周囲に軟骨小腔様の間隙を認め、細胞外基質は不定形であり、軟骨基質様であった。Safranin O染色では橙赤色を呈し、軟骨基質の存在が示唆された。一方、低密度軟骨細胞培養を行った組織内の細胞は位相差顕微鏡で観察すると扁平で細長く線維芽細胞様細胞であった。固定、包埋後の組織学的検討では、扁平な細胞の外にはコラーゲンゲルのコラーゲン線維を認めるのみで、Safranin Oに染色されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
馬蹄形状に軟骨組織を作製することが難しく、時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
馬蹄形状に軟骨組織を作製する。培養軟骨組織の皮下移植(イヌの腹部皮下に馬蹄形の鋳型と共に移植)する。一旦摘出した後に、摘出軟骨組織と上皮細胞シートの気管欠損モデルへの移植(イヌに全周性の気管欠損を作製し、同部に取り出した軟骨組織と上皮細胞シートを移植)する。
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Causes of Carryover |
当該年度に購入すべき備品(軟骨鋳型)であったが、実験がやや遅れており次年度に購入するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記備品を購入する予定である。
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