2019 Fiscal Year Annual Research Report
Preferable tracheal reconstruction with the use of horseshoe-shaped regenerated cartilage
Project/Area Number |
16K20285
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
末吉 慎太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (60569359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気管再建 / 軟骨細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性、外傷性気道狭窄や癌の気管浸潤に対して気管切除を行った場合、気管全長の半分以上の欠損では一期縫縮は困難であるため、気管欠損部の硬性再建が必要になる。しかし、確立した気管の再建法はなく、現状では永久気管孔を作製することによるQOLの低下が避けられない。気管再生の研究として、自家細胞や細胞増殖の足場を気管欠損部に移植し生体内で気管構造を再構築する組織工学的手法を用いた報告があるが、移植後に軟骨基質が産生し、強度をもった気管が再生するには数ヶ月を要するため安定的な組織生着が難しい。また外界からのバリアとしての上皮化にも数ヵ月を要するといわれており、感染により移植組織は脱落しやすい。つまり生着するまでの間、移植した組織は変動する気道内圧と気管内腔の汚染にさらされながら、気管の形状を維持しなければならないため、移植を成功させるためには、より速やかな生着が望まれる。そこで本研究では自家軟骨培養細胞よ培養上皮細胞による積層培養組織を生体外で作製し、移植後の速やかは組織再生が確認でき、より安全で確実な気管再生法になり得ると考えられた。更に気管の馬蹄形の形状は気道内圧に対して伸縮性を担保し、移植後の安全性を高めることが考えられた。本研究では馬蹄形に形成したシリコンブロックの鋳型と、前述した軟骨細胞と上皮細胞をビーグル犬の皮下に移植することで、気管の形状に似た気管を部分的に形成することができた。本研究で用いた手法は安全で確実に気管の移植を行うための手法になり得ると考える
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