2016 Fiscal Year Research-status Report
フレイル期の高齢者における舌回旋運動を応用した新しい口腔機能トレーニングの確立
Project/Area Number |
16K20702
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
荒川 いつか 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (30756961)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フレイル / 口腔機能 / 舌圧 / 筋肉量 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーラルフレイルは滑舌低下やわずかなむせ、噛めない食品が増えるなど加齢とともに口腔機能が僅かに低下していき、健康な状態から口腔機能低下に陥る中間の可逆的な状態である。口腔機能低下からさらに進行し摂食嚥下障害や咀嚼機能不全など口腔機能障害に進行すると要介護に陥る。本研究ではフレイル期における舌回旋運動を応用した新しい口腔機能トレーニングの確立を目的とし、早期に対応することで口腔機能低下の改善や予防を期待する。 口腔機能の状態は栄養状態や全身状態に及ぼす影響も大きいため、本研究では口腔機能の評価と併せて水分量や筋肉量などの全身状態も含めて検討する。 本年度は研究計画に従い65歳以上の大学病院に来院可能な被験者(健常高齢者)と特別養護老人ホームに入所されている被験者(施設入所者)を対象としアンケート調査、口腔機能、全身状態の測定を実施した。 アンケート調査より自覚症状として嚥下時の違和感やむせ、摂取可能食品の品目数が減少している被験者がいることがわかった。 口腔機能の評価において、健常高齢者と比較し施設入所者の舌圧は低下していることが明らかとなった。 また全身状態の測定結果より各自の身長と体重から割り出された平均値と比較し、筋肉量や水分量において施設入所者はそれぞれ低下している被験者が多い傾向にあった。一方体脂肪量や体脂肪率が高い被験者もみられた。また施設入所者は健常高齢者と比較しSMIの低下している被験者が多くみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定より被験者数は減少したが、同意の得られた被験者を対象に測定を行うことができた。前倒し請求により装置を購入することもでき口腔機能および全身状態の測定を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究実施計画をもとに、測定を継続するとともに、データ解析を行う予定である。また、被験者の募集を再度募り可能な限り予定被験者に達するよう研究を進め、当初の予定以上の成果が出せるよう努めたい。
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Causes of Carryover |
被験者数が予定人数より少なかったためと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入や国内発表の費用として使用する予定である。
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