2019 Fiscal Year Annual Research Report
Performance analysis and approximation theory for quantum dynamical estimator
Project/Area Number |
16K21127
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大木 健太郎 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40639233)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 平均場型蓄電池制御 / 平均場型量子フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
モデルの低次元化において,平均場ゲームの手法を用いた手法を提示した.この近似が妥当である対象は限られるものの,非常に大きなエージェント数において有効であり,古典と量子の場合で調べた.まず古典系では,蓄電池の運用に関する制御問題を扱った.これは各家庭で蓄電池を運用することを想定し,電力の売買も行えるものとする.電力価格は需要と供給のバランスで変動するものとすると,電力価格の高いときに売り,安いときに買うことが個々のエージェントにとって最適戦略になりうる.これは大規模非協調ゲームとなるものの,平均場近似が自然と導入しやすい構造になっており,その近似解法として平均場近似を用いたコスト関数を考えることで非常に小さな次元の HJB 方程式と Fokker-Planck 方程式を解く問題に帰着させた.結果は数値的に検証し,国際学会で発表した. また,この結果に基づいて大規模量子系に対する平均場型制御問題についても扱った.量子系において重要な制御対象は,量子情報処理の過程で必要となる素子の制御である.そのため,漠然と大規模系を扱うよりも,大規模スピン系の制御問題を解くことの方が実用的には重要である.大規模スピン系では,スピン系同士の相互作用が弱く働くため,単独量子ビット+それ以外の量子系の近似系を処理すれば十分であると考え,平均場近似を考慮した量子平均場ゲーム問題の構築,およびそのフィルタリング問題について取り組み,国内学会で発表した.また平均場型の量子フィルタについては国際学会に投稿し,発表予定である.近似精度に関する結果は出せなかったものの,漸近的な意味で成立することは示しており,低次元の量子近似フィルタの導出に成功した.
|
Research Products
(4 results)