2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Stochastic Approach to Environmental Investment Problems with the Planar Impulse Control(Fostering Joint International Research)
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16KK0046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤 允 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (30434286)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | リアルオプション / 環境投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 昨年度に引き続き、カリフォルニア大学サンタクルーズ校において、海外共同研究者であるYihsu Chen教授との共同研究を実施した。 2. 再生可能エネルギー利用割合基準(Renewables Portfolio Standard; RPS)の政策問題を分析した。昨年度に引き続き、非再生エネルギー事業者と再生エネルギー事業者が両方とも存在する市場において、政策決定者の投資問題として定式化し、最適な投資タイミングとRPS割合を求めた。中でも特に投資費用と排出ガスのダメージコストが最適な投資タイミングとRPS割合に与える影響をモデル化し直し、その結果として、不確実性が低い場合は投資費用は最適なRPS割合に正の影響を与えるが、不確実性が高い場合はその影響はほぼなくなることが分かった。さらに、排出ガスのダメージコストが高い場合は政策変更のタイミングが早くなり、RPS割合がする。この影響は不確実性の多寡に影響されず同じである。また、排出ガスのダメージコストと非再生エネルギー事業者と再生エネルギー事業者の発電量は負の関係である。すなわち、社会が排出ガスに関して不寛容であるほど、高いRPS目標へと早期に制作変更し、その結果としてエネルギー事業者の発電量は削減されるという結果になる。 3. 本研究で用いられた、リアルオプションモデルへの確率制御アプローチの手法をまとめた成果は、2020年7月刊行予定の後藤允,「投資戦略の数理モデル-リアルオプションの基礎と理論」,朝倉書店の第7章に収められている。
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Research Products
(5 results)