2019 Fiscal Year Annual Research Report
Multidimensional cellular manipulation by functional nanocomplexes(Fostering Joint International Research)
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16KK0117
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
都 英次郎 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (70443231)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン / ナノバイオ / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
光によって細胞膜電位を制御できるオプトジェネティクスは、魅力的な細胞機能制御技術の一つである。オプトジェネティクスは、神経や心筋といった特定の細胞に遺伝子工学的手法を用いて、光活性化イオンチャネルを強制発現させた後、これらの細胞に紫外あるいは可視光を照射することにより、標的とする細胞を興奮または抑制させる。オプトジェネティクスを用いると、細胞同士の接続や特定の細胞集団の機能を光のスイッチを切り換えて遠隔操作することができる。このためオプトジェネティクスは、未知の細胞ネットワークを解き明かし、病気の治療にも役立つと期待されている。しかし、従来のオプトジェネティクスは、基本的には、生体透過性の低い光を利用するため生体深部領域の細胞機能を制御することはできない。したがって、本研究では、熱を感じるTRPV2(transient receptor potential, vanilloid family type 2)(52℃以上で活性化)に着眼した新しい細胞刺激技術の開発を目的とする。具体的には、生体透過性の高い近赤外光に応答し、“熱”を発生する機能性ナノ複合体を開発し、当該ナノ複合体を用い、熱による物理刺激をナノメーターレベルで局所的かつ定量的に特定の神経細胞めがけて低侵襲的負荷を与えることが可能な新しい細胞刺激制御技術を創製を目指した。当該技術が実現できれば、これまで不可能であった生体深部領域の細胞機能制御が実現でき、今まで解明が困難であった神経変性疾患における患部特定、分子レベルでの刺激機構の理解ならびに病理解明につながる。
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Research Products
(6 results)