2020 Fiscal Year Annual Research Report
Active control of fire and smoke by water spray in the event of a natural ventilation tunnel fire(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
16KK0125
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 太 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60401791)
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Project Period (FY) |
2017 – 2020
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Keywords | トンネル火災 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、水噴霧による強制煙降下現象に関する数値シミュレーションの精度改良と水噴霧による煙流動遮蔽によって導かれる自己消火現象に関する模型実験を実施した。水噴霧と煙流動の干渉状態を数値シミュレーションで予測する際には、水噴霧特性のパラメータが重要になる。これらのパラメータを同定するために、別途実験を行い、実験パラメータを定めた。この新たな水噴霧特性パラメータを使用して数値シミュレーションを実施し、実験データと比較したところ、令和1年度よりも計算結果の予測精度が向上した。特に粒子径分布のパラメータは計算結果に大きな影響を与えることが分かった。これまでの実験で使用していた散水装置に比べて、散水分布がカーテン状になる新しい散水設備を使用して、煙の遮蔽率を向上させる実験を実施した。この実験では、散水カーテンにより強制降下する煙量が増大し、降下煙の火源への逆流によって、火源が窒息消火する現象が観察された。この散水カーテンによる強制窒息消火現象に関しては、今後の新たな研究テーマとして展開発展させる予定である。 本研究ではこれまでに以下の研究成果を得ることができた。平成29年度:水噴霧による煙降下現象を再現するモデルの構築、平成30年度:散水による火源冷却効果の検討とモデル化、令和1年度:水噴霧による煙降下現象を再現する数値シミュレーションの実施と散水による煙成層の破壊を判定するパラメータの構築、令和2年度:水噴霧による煙降下現象を再現する数値シミュレーションでの精度向上、及び散水カーテンによる火源の強制窒息消火の基礎調査。 国際共同研究を通して、オーストラリア・米国・欧州など多くの国際ネットワークを形成することができた。今後は、学生の留学、海外研究者の招聘、国際会議の開催など、ネットワークの強靭化を進め、アジア・オセアニア地域におけるトンネル火災研究グループの構築を目指していく。
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Research Products
(1 results)