2019 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of membrane surface chemistry on adhesion of biopolymers produced by microbial quorum sensing(Fostering Joint International Research)
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16KK0146
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (40422456)
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Project Period (FY) |
2017 – 2019
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Keywords | 膜ファウリング / 細胞外高分子物質 / 拡張DLVO理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,汚泥のバイオポリマー付着により濾過膜表面の物理化学特性が膜目詰まりに与える影響を理解するため、(1)汚泥バイオポリマーの付着による濾過膜の表面の物理化学特性の変化、(2)濾過条件の変化による汚泥バイオポリマーの組成と付着微生物群集の変化、(3)バニリン添加による汚泥バイオポリマーの改変が膜目詰まり進行に与える影響、を明らかにすることを目的とした。 汚泥のバイオポリマー付着により濾過膜表面の物理化学特性が膜目詰まりに与える影響を明らかにした。バイオポリマーによる膜面汚染により、精密濾過(MF)膜では電子受容性が増加し、バイオポリマーなどの有機物との親和性が高くなっていることが示唆された。また、定圧濾過によって微生物の膜面付着と多糖類の産生が促進されるメカニズムを明らかにした。。また、バニリン添加による分子量分布の変化が膜目詰まりを抑制することを明らかにした。 本研究の成果により、MBR法における膜目詰まりの進行に与えるバイオポリマーの影響について、実際の汚泥バイオポリマーにおいて、膜面とバイオポリマーに働く拡張DLVO力と透過水流の関係から説明することができた。また、膜面へのバイオポリマーや微生物付着が膜ファウリングに正のフィードバックを持つ可能性を明らかにした。これらの成果により、効率的な処理プロセスの運転の実現に向けたMBR法における膜ファウリングの進行を緩和する対策や濾過膜の開発につなげることが期待できる。
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