2016 Fiscal Year Research-status Report
農村型ライフスタイルから探るフレイル予知法と予防戦略
Project/Area Number |
16KT0012
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
新村 健 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70206332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 宏達 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (00633348)
|
Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2019-03-31
|
Keywords | フレイル / サルコペニア / バイオマーカー / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)平成28年度は、兵庫医科大学ささやま医療センターリハビリテーションセンターにおいて4月10日、5月15日、6月19日、10月23日、11月20日、12月4日の計6回、「心と体の健康調査」を実施した。のべ434名の自立した高齢者に参加いただいき、平成27年度に1回実施した調査に参加いただいた42名と合わせて、総参加者数は476名(男性:女性=158:319名)となった。 (2)調査項目は、基本チェックリスト、MMSE、WHOQOL36、BDHQ、内服薬調査、医学生物学的調査(身体計測、運動機能、血液検査、超音波検査による骨密度、骨質検査、口腔機能検査)、活動量計による身体活動量計測等である。 (3)フレイル及びプレフレイルの有病率は、Friedらのphenotype診断基準では、それぞれ総参加者の3.8%、49.6%、基本チェックリストによる診断基準では、それぞれ8.0%、30.9%であった。サルコペニア及びプレサルコペニアの有病率は、AWGS診断基準によると、それぞれ3.2%、27.3%であった。 (4)10月23日以降に参加いただいた244名から、サルコペニアを伴うフレイル女性(サルコペニア群)7例、プレサルコペニアであるがフレイル非該当の女性(プレサルコペニア群)7例、前2群と年齢をマッチさせたフレイル・サルコペニアともに非該当の女性(ロバスト群)6例、計20名を抽出し、Exiqon社に血清試料を用いたmiRNA解析を依頼した。今回の解析対象からは、がん、脳卒中、心臓病の既往や、COPD、慢性腎臓病、慢性肝障害、2型糖尿病を合併する症例は厳格に除外した。しかしExiqon社内部での試薬トラブルにより最初に送った試料での解析ができなかった。Exiqon社に詳細な内部調査を依頼し、原因トラブルの解決を確認させた上で、再度試料を送ったため、現在解析結果待ちの状態にある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記記載の通り、Exiqon社内での試薬トラブルにより、最初に送った試料サンプルでのmiRNA解析ができなかった。Exiqon社に詳細な内部調査を依頼し、原因トラブルの解決を確認させた上で、再度試料を送ったため、研究の進捗状況は予定より遅れている。当初は平成29年度の調査を開始する4月までにmiRNA解析結果の分析が終了している予定であったが、5月1日現在まだ結果が未着の状況にある。Exiqon社によると5月中に結果が報告される予定であるため、平成29年度の研究には、大きな支障をきたさないと予想している。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)平成28年度までに調査に参加いただいた476名のさまざまな調査データを統計学的に解析し、ベースライン時点でのフレイル・サルコペニアに及ぼす生活習慣や医学的要因に関する解析を行って、さまざまな学会発表や数多くの論文作成に取り組んでいきたい。 (2)平成29年度も新規の調査参加者を募り、本年度の目標数を500名とし、総参加者数1000名のコホートを構築することに力を入れていきたい。既に新聞広告、折込チラシ等で参加者募集を行っており、近春は5月28日、6月18日、7月9日の3回調査を実施する。さらに秋にも3回の調査を予定している。 (3)miRNA解析結果が到着次第、サルコペニア、フレイルに特徴的なmiRNA発現パターンの解析に取り組み、平成29年度はそのパターンの信頼性と再現性を確認するために新たな症例の血清試料サンプルを用いてmiRNAの解析を行いたい。 (4)平成28年度までに調査に参加いただいた476名に対しては、今秋電話による追跡調査を行い、健康状態、介護状態に関する聞き取り調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
Exiqon社内での試薬トラブルにより、最初に送った試料サンプルでのmiRNA解析ができなかった。Exiqon社に詳細な内部調査を依頼し、原因トラブルの解決を確認させた上で、後日再度試料を送ったため、研究の進捗は予定より遅れた。当初は平成29年3月中にはmiRNA解析結果の分析が終了している予定であったが、それに間に合わなかったため同社への解析委託料の支払いも行わなかった。よって解析委託料に相当する金額が次年度繰越しとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
miRNA解析が順調に行われた場合は、直ちに繰り越し分の検査委託料をExiqon社に支払う予定である。得られたデータを詳細に検討した上で、今春または今秋に実施する調査への参加者から得た血液試料サンプルを用いて、miRNA解析のバイオマーカーとしての意義を確認するための2回目のmiRNA解析を当初の予定通り次年度も実施したい。
|
Research Products
(3 results)