2020 Fiscal Year Research-status Report
多宗教共存とエスニシティ共生―旧英領カリブ社会における民族紛争抑制のメカニズム
Project/Area Number |
16KT0045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 輝之 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (20546832)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2022-03-31
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Keywords | 宗教 / エスニシティ / 移民 / カトリック / ヒンドゥー教 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度中にトリニダッド・トバゴおよびガイアナにおける2度の現地調査(8~9月と2~3月)を実施し、カトリック教会およびヒンドゥー寺院で参与観察と聞き取り調査、古文書館、大学図書館、新聞社での歴史資料収集を行う予定であった。しかし、新型インフルエンザの感染拡大による両国への入国制限、ガイアナで2020年3月に実施された国政選挙の結果から生じた政治的民族紛争から現地調査は中止せざるを得なかった。しかし、2019年度までに収集したデータの分析を進め、成果を基にした論文を執筆・投稿、カリブ地域研究に関するものとしては、最も重要な査読学術雑誌の一つ New West Indian Guideに掲載された。また、本課題の主題である多宗教とエスニシティ共存についての文献収集のために国内出張を行った(2020年9月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度中に予定していたトリニダッド・トバゴおよびガイアナにおける2度の現地調査がコロナ禍による両国への入国制限と、総選挙の結果を受けたガイアナの政治・社会不安により延期せざるを得なくなり、民族誌データと歴史資料の収集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後考えられる状況の変化に対応して、以下異なる方法で研究を進める。 1.新型インフルエンザの感染拡大が相応に収まり、トリニダッド・トバゴおよびガイアナへの入国、行動が可能になった場合、現地調査を少なくとも2回実施し、参与観察と聞き取り調査、歴史資料の収集を再開する。 2.引き続き現地調査が実施できない状況が続いた場合、すでに行った聞き取り調査のデータの文字起こし、古文書の解析作業を継続して、論文の執筆・投稿に集中する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型インフルエンザの感染拡大による調査国への入国制限と政治・社会不安によって調査を中止せざるを得なかった。本課題では、もともと現地フィールドワーク実施に必要となる旅費が大きな割合を占めており、現地調査のための旅費や現地での資料収集に要する経費等を次年度に持ち越することとなった。
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Research Products
(2 results)