2016 Fiscal Year Research-status Report
プライベート・ソーシャル・レジームの有効性の比較分析
Project/Area Number |
16KT0093
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
阪口 功 学習院大学, 法学部, 教授 (60406874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 高敬 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00247602)
渡邉 智明 九州大学, グリーンアジア国際リーダー教育センター, 助教 (00404088)
内記 香子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (90313064)
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Project Period (FY) |
2016-07-19 – 2020-03-31
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Keywords | プライベート・レジーム / 世界市民社会論 / 認証制度 / メタガバナンス / 有効性 / NGO / エコラベル / サステイナビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は民間アクターにより構築されたプライベート・サステイナビリティ・レジーム(PSR)の効果的な成長の条件を明らかにすることを目的としている。当初4月初日に交付決定されることを前提に研究計画を作成していたが、交付決定が7月下旬であったため、経費執行は当初のスケジュールよりも遅れてスタートした。しかしながら、実績(学会報告、論文)は十分となっている。また、実際に承認された交付金額、分担者の1名離脱に合わせ、事例の削減(フェアトレードの削除)、海外参与観察の絞り込み(UNGCや世界経済フォーラムの削除)を行った。よって、本年度は事例としては森林認証制度と水産認証制度に重点を置いて研究調査を進め、その成果を国際的な学会で発表することに重点を置いた。 従属変数としては、認証商品量の把握、各認証制度の制度設計文書の入手と解析に努めた。独立変数としては、認証基準の厳格性とカスケード現象(認証の急増)発生、メタガバナンスとの関係、SDG等を通じた企業の学習の進展を調査した。さらに認証制度のスキームオーナーへのヒアリング調査、メタガバナンスで重要となる政府関係者(農林水産省)へのヒアリング調査を進めた。 暫定的な調査研究結果を、日本国際政治学会60周年記念大会国際部会(幕張)、International Studies Association年次研究大会(バルチモア)、グローバル・ガバナンス学会(早稲田)などで報告するとともに、『グローバル・ガバナンス』などの学会誌への投稿にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付内定通知が4月ではなく7月下旬となったため、通知までの期間経費執行ができなかったものの、交付内定通知後に積極的に調査、ペーパー執筆を進めた結果、遅滞なく研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、RSPOなどのバイオマス認証制度、ASC、BAPなどの養殖認証制度、水産・養殖認証制度のメタガバナンススキームとして急速に広がりを見せているGSSI(Global Seafood Sustainability Initiative)の調査を強化するとともに、平成28年度も取り組んだMSCなどの水産認証制度、FSCなどの森林認証制度の調査にも継続して取り組む。 独立変数としては、特にその重要性が再認識されたメタガバナンスの調査に力点を置くとともに、認証関係者へのヒアリングを積極的に展開していく。 また、平成28年度の研究により新たにあらたに見つかった分析ポイントとして、認証制度間の人材の移動、認証制度の収入源(ラベル利用料、メンバーシップ)がプライベート・サステイナビリティ・レジームの普及に及ぼす影響についても分析していく。
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Causes of Carryover |
当初4月に内定通知があることを想定していたが、特設分野は7月下旬に通知となったため、前半は経費執行が進まず、本年度は未執行の残高が多くなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未執行分は、主に旅費(海外)にて使用される予定である。
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Research Products
(7 results)