2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子ヒステリシスを示すポリ酸ナノ磁性体の開発と分子磁性
Project/Area Number |
17002006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山瀬 利博 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (80016576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成毛 治朗 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (40237623)
石川 英里 中部大学, 工学部, 准教授 (90323831)
伊藤 建 東海大学, 理学部, 講師 (50376935)
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Keywords | 菱形スピンポリ酸 / ナノリングポリ酸 / 光自己集合メカニズム / 希土類ポリ類 / 量子トンネル / 分子磁性 / 近赤外光伝導 / 量子ヒステリシス |
Research Abstract |
ナノ磁性体の創製と磁性メカニズムの研究は基礎的にも応用的にも益々重要となっている。ポリ酸がこれらナノ磁性体の新規素材として最適であることを指摘して以来、これまで多くの新規ポリ酸磁性体を創製し磁性イオン間交換相互作用の分子論的詳細を明らかにしてきた。本年度は多くの研究にも拘わらず未解決であったCu^<2+>の菱形スピンクラスターの分子磁性を初めて明らかにした。また新規分子磁性体の創製と分子設計のためのMo-blueナノリングに代わる卵構造のMo-blueを創製しその自己集合メカニズムと構造化学を求めると同時に金赤外伝導性を見出した。本年度は最終の年度であることもあってこれまで得た知見をもとにポリ酸の分子磁性と自己集合メカニズム、希土類ポリ酸の光化学を総括した。 (1)従来から知られているβ-β結合の[Cu_4(H_2O)_2(GeW_9O_<34>)_2]^<12->に代わりJahn-Teller歪みの少ないα-α結合の[Cu_4(GeW_9O_<34>)_2]^<12->を創製し時期的相互作用の詳細をβ-β結合のそれと比較して考察した。Cu_4菱形スピンでの双極子-双極子相互作用の重要性、S=1基底状態の低温(0.5K)、ゼロ磁場下でのM-1〓M=-1量子トンネルを発見した。 (2)pH4のポリモリブデン酸水溶液の光自己集合反応で生成された褐色のボール構造の{Mo_<132>(OAc)_<36>(OPr)_6}の前駆体としてC字構造の{Mo_<100>}Mo-blueが指摘された。ボール構造はこの前駆体が光還元されzipper反応類似反応の結果生成する{Mo_<22>}ユニットの自己集合反応によるものと説明された。C字構造の{Mo_<100>}は希土類イオン(Ln^<3+>)と反応して卵構造の{Mo_<96>Ln_8}を与えた。 (3)ナノリング構造{Mo_<154>}がccpパッキングで自己接合した集合多{Mo_<154>ccp}の光合成に成功した。この新規クラスターは可視-金赤外光の広い範囲にわたる光伝導体であることを発見し、近赤外光スイッチング素子への応用を展開すると同時に光伝導メカニズムが考察された。 (4)希土類ポリ酸に関する成果をまとめることを執筆依頼され、2009年1月にHandbook on Physics and Chemistry of Rare Earths, (Elsevier B. V. North-Holland), Vol.39, chapter243として出版した。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Anti-tumoral effect of polyoxomolybdates : induction of apoptotic cell death and autophagy in in vitro and in vivo models2008
Author(s)
Aya Ogata, Hironobu Yanagie, Eri Ishikawa, Yasuyuki Morishita, Sayaka Mitsui, Atsushi Yamashita, Kenichiro Hasumi, Shinichi, Takamoto, Toshihiro Yamase, and Masazumi Eriguchi
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Journal Title
Bri. J. Cancer 98
Pages: 399-409
Peer Reviewed
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