2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17002012
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大石 進一 Waseda University, 理工学術院, 教授 (20139512)
|
Keywords | 数値解析 / 数値計算 / 非線形方程式 / 情報数理 / アルゴリズム |
Research Abstract |
超大規模スパース線形系の精度保証付き数値計算法の確立について、線形計算の精度保証に必要な、疎行列・ベクトル積を高精度に行う方式を提案した。通常の浮動小数点演算による計算に対して、計算時間の増加が僅かで、かつ高精度に計算できる手法を開発できた。 誤差無し内積計算法の発展と応用については、高精度に総和を求める手法に対して、事前に使用精度を定める新しい方式を開発し、高効率であることを数値実験により示した。また計算幾何学等の問題に応用し、誤差を考慮しない従来手法の1.25倍の計算時間で100%誤りなく計算する手法を開発できた。 偏微分方程式の数値的検証法については、3次元熱対流問題に対する精度保証付き数値計算に取組み、自明解からの不安定化を起こす臨界Rayleigh数直後の矩形解の存在検証に成功した。また、流体の安定性を記述するOrr-Sommerfeld方程式に対する固有対の包み込みの計算機援用証明アルゴリズムを提案した。 カオス系を含む常微分方程式系(ODE)の計算機援用証明については、カオスの解析に不可欠な技術として、ODEの初期値問題をアフィン演算を用いた精度保証付きで解く手法を開発した。また、Lorenz方程式を題材とした数値実験によりその精度と高速性を示した。 国際ワークショップ(International Workshop on Verified Numeriqal Computation)を、3月22日から29日まで宮古島で行った。海外招待者7名を含む、精度保証に関連する研究者に対して本プロジェクトの成果を発表し、密度の濃い議論を行うことができた。
|