Research Abstract |
◎円錐曲線を題材にして,高校の理科と数学を融合した授業のための教材を作成しました。円錐曲線は,古代ギリシアの時代に発見され,準線,焦点,離心率などの基本的な性質はその時代に得られています。その後,ガリレオによる放射体の軌跡が,parabolaになること,その後,ケプラー,ニュートンによる惑星,彗星の軌道としての楕円,双曲線の再発見などがあり,科学史の上からも興味深い対象であります。それと同時に円錐曲線は,懐中電灯で出来る光の形,噴水の形,そして,地面に立てた棒の影の先端の動きなど身近に発見できる曲線でもあります。さらに,デカルトの座標平面の発明以後は,解析幾何学の2次曲線として研究されてきました。このようにいろいろな面を持つ円錐曲線を題材にすることで,例えば,楕円の持つさまざまな面,相互の表現の関係などに気づき,理解し,楽しむことが出来る教材を目指しました。更に,実際の活動として,懐中電灯で照らしてみる,地面に立てた棒の影の動きを観察する,ビー玉を落としてみる,ガリレオの実験を再現してみるなどを盛り込み,いくつかの性質の証明には,Cabri, Functionviewなどの図形ソフト,グラフソフトを用いることで証明のアイデアの理解が進むようにしてあります。 ◎中学校の平方根の発展学習として,平方根の近似値を求める授業案を作成し,実施しました。そこでは,2つの方法,開平計算とニュートンの近似法を原理とする方法を紹介しました。開平計算は割り算の筆算の仕組みを再確認することで導入できます。また,ニュートンの近似法は,長方形の等積変形により正方形を近似することに翻訳できます。そして,反比例のグラフも等積変形の中で見えてきます。このように,平方根の近似値を求める中でそれまで学んだ割り算の筆算,反比例のグラフなどが顔を出す,面白さを目指した授業にしました。 ◎中学校で,比例のグラフを活用する教材を作成中。 ◎「自然界の最大・最小問題」「正多面体と結晶」をテーマに高校のテキストを作成中。
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