2008 Fiscal Year Annual Research Report
GIST発生におけるKIT・PDGFRシグナル異常の解析
Project/Area Number |
17013082
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
廣田 誠一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (50218856)
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Keywords | 多発性GIST / ノックインマウス / カハールの介在細胞 / c-kit遺伝子 / 生殖系列 / 機能獲得性突然変異 / exon 17 / 二次耐性 |
Research Abstract |
ヒト多発性GIST家系のモデルとして作成した、生殖系列にc-kit遺伝子のexon 17の機能獲得性突然変異を持つノックインマウスのヘテロ個体を用いて、c-kit遺伝子産物(KIT)の小分子阻害薬であるイマチニブの盲腸GISTに対する腫瘍増殖抑制効果を検討した。1週間、2週間、4週間投与のいずれの場合にも肉眼的には明らかな腫瘍の縮小は見られず、体積を測定したがやはり有意な縮小は見られなかった。しかし、KITのシグナル伝達系は、KIT, Akt, Statlのいずれもがリン酸化の低下を示しており、細胞増殖の抑制が示唆された。実際にKi-67の標識率は有意に低下しており、腫瘍縮小には至らないものの腫瘍増殖は抑制されているものと考えられた。GISTモデルマウスは様々な薬剤のin vivoでの効果を検討するのに有用であると思われる。 ノックインマウスにおける検索と並行してGISTに関するいくつかの研究・発表を行った。まず、GISTに対するイマチニブ投与のPhase II国内臨床試験について、著明な効果がみられたことを他の研究者と共同で発表した。また、イマチニブに一定期間効果を示していた転移病巣内に発生してくる二次耐性病変において、その多くにc-kit遺伝子のexon 13やexon 17に付加変異がみられることを報告した。さらに、c-kit遺伝子にもPDGFRA遺伝子にも突然変異の見られない若年性GIST症例では、糖鎖修飾の異常によりKITのリン酸化が亢進している可能性について言及した。
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Research Products
(10 results)