2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014077
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 昌市 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10275076)
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Keywords | がん転移 / 腫瘍増殖 / 細胞外マトリックス / プロテアーゼ / ラミニン5 / マトリライシン / MMP / マトリプターゼ / 細胞接着 / 浸潤 |
Research Abstract |
ラミニンやIV型コラーゲンなどの基底膜型細胞外マトリックス(ECM)分子とがん細胞の相互作用、およびプロテアーゼによるその修飾は、がんの増殖、浸潤、転移に重要な影響を及ぼす。本研究では、以下のECM分子の作用に注目して、がんの悪性増殖の分子機構を調べた。 1.ラミニン5(Lm5)の細胞運動促進作用の調節 重要な基底膜分子であるLm5はα3、β3、γ2の3本鎖からなる糖タンパク質で、インテグリンを介して細胞の接着と運動を共に促進する。今回、一部のがん細胞株においてβ3鎖N末端領域が切断されること、その結果Lm5のVII型コラーゲンへの結合性が消失することが明らかになった。またLm5は遊離の状態では細胞運動を、ECMに組み込まれた状態では安定な細胞接着を促進することが判明した。従って、プロテアーゼの作用は遊離型のLm5を産生し、がん細胞の移動を促進すると考えられる。 2.マトリプターセ(Mat)の腫瘍増殖促進作用 膜結合型セリンプロテアーゼの一種であるMatをヒト胃がん細胞株で強制発現すると、腫瘍増殖と血管新生が顕著に促進されることが判明した。さらにMatが腫瘍増殖抑制因子angiomodulin/IGFBP-rP1を限定分解し、また一部のMMPを活性化することを初めて明らかにした。これらの作用が、Matの腫瘍増殖促進作用に関係すると考えられる。 3.マトリライシン(MMP-7)の細胞膜への結合と転移促進作用 これまで、活性型MMP-7ががん細胞表面に結合し、細胞凝集を促進することによって転移を促進することを明らかにした。本年度はMMP-7の膜受容体としてコレステロール硫酸(CS)を同定することができた。また、CSへの結合によって、MMP-7によるFASリガンドなどの膜タンパク質の分解が調節されることが判明した。これらの結果は、CSががん治療の新しい標的分子の候補となることを示唆する。
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Research Products
(21 results)