2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野口 眞三郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10303942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 康博 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273690)
三好 康雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50283784)
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Keywords | 乳癌 / 甲状腺癌 / 遺伝子発現プロファイル / 悪性度 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、既存の診断法では限界がありより正確な診断が臨床上切に求められている乳癌・甲状腺癌の予後、および、化学療法・ホルモン療法の感受性の診断に遺伝子診断を導入し、その臨床的意義を明らかにすることである。(1)乳癌の予後診断:乳癌組織におけるCDK2とCDK1の活性比が、乳癌の強力な予後因子となること、特にリンパ節転移陰性乳癌症例において、Ki-67やcyclin Eよりも優れた予後因子であること示した。また、GSTP1、LATS1、LATS2のプロモーター領域のメチル化が乳癌の予後と有意に相関していることを示した。(2)化学療法感受性診断:p53変異を有する乳癌と有さない乳癌で有意に発現が異なる遺伝子をATAC(adapter-tagged competitive)-PCR法による網羅的解析で抽出し、更に、それらの中からdocetaxel感受性と有意に相関する遺伝子を同定した(CCT5、RGS3、YKT6)。MCF-7細胞に於いて、これらの3遺伝子の発現をsiRNAを用いてknockdownするとdocetaxel感受性が増強された。(3)甲状腺腫瘍の良悪性の鑑別診断:甲状腺腫瘍の日常診療で最も問題となるのは、濾胞腺腫と濾胞癌の鑑別である。細胞診での鑑別は困難な場合が多く、無用な手術が多数実施されている。そこで、甲状腺濾胞腺腫と濾胞癌を対象としてATAC-PCR法による遺伝子発現プロファイル解析を用いた鑑別診断モデルの作成を試みたところleave-one-out cross Validation法で正診率90%の診断モデルを作成することができた。別の症例を用いてvalidation studyを行なったところ、その正診率は83%と良好であった。
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Research Products
(6 results)