2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17015027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野口 眞三郎 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (10303942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 康博 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10273690)
金 昇晋 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346213)
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Keywords | 乳癌 / 遺伝子発現プロファイル / 細胞周期プロファイリング / 化学療法感受性 / 予後 |
Research Abstract |
個々の乳がんの生物学的特徴に基づいた的確な個別化治療を実現するためには、従来の画像診断や病理診断のみでは不十分であり、より精度の高い「個性」診断法の開発が不可欠である。本研究の目的は、遺伝子発現プロファイル解析を応用した新しい乳癌の化学療法感受性診断システムおよび予後診断システムを作成することである。化学療法感受性診断法の開発:術前化学療法としてPaclitaxel→FEC療法を施行した乳がん症例(n=84例)において、化学療法前に採取した生検腫瘍組織の遺伝子発現プロファイルをDNAマイクロアレイで解析した。Learning set (n=50例)の症例を対象として、病理学的効果を予測するシステム(70遺伝子診断)を作成し、Validation set (n=34例)の症例でそれを検証した。Learning setにおける、Negative predictive value (NPV)は100%、Positive predictive value (PPV)は56%であり、Validation setにおけるNPVは93%、PPVは53%と良好な再現性のある結果を得ることができた。予後診断法の開発:術後補助療法としてホルモン療法のみを受けた症例(ER陽性、リンパ節転移陰性乳癌130例)をLearning set(80例)とValidation set(50例)の2群に分けた。次に、全症例の腫瘍組織における遺伝子発現プロファイルをDNAマイクロアレイで解析した。Learning setを用いて再発例と非再発例で発現が有意に異なる遺伝子を抽出し予後診断システムを作成した。本システムでhigh riskと診断された症例の予後はlow riskと診断された症例の予後よりも有意に不良であった。また、この予後診断システムはValidation setでもその有用性を再現することができた。
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Research Products
(10 results)