2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌転移の臓器微小環境特性から見た分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
17016051
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
曽根 三郎 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40145024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 聖二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30294672)
柿内 聡司 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, COE研究員 (50380100)
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Keywords | 肺癌 / 多臓器転移 / VEGF / 血管新生 / 骨転移 / PTHrP / Src / CD9 |
Research Abstract |
肺がんの多臓器への転移形成は臨床上重要な問題であり、新しい治療法の確立が切望されている。多臓器転移制御の標的分子として血管新生因子VEGFに着目し、VEGF受容体阻害薬が転移巣における腫瘍血管内皮細胞選択的にアポトーシスを誘導し血管新生を阻害することにより、肺癌細胞株のSCIDマウスにおける多臓器転移形成を抑制することを明らかにした。さらに、血管透過性を抑制することにより、癌性胸水形成も著明に阻害することを見出した。また、癌遺伝子として知られるSrcは癌細胞運動機能に深く関与していると考えられているが、肺癌細胞株におけるSrc発現およびその活性化は細胞株により異なること、Src阻害薬がSrc発現の高い肺癌細胞の運動能、浸潤能、および血管新生因子産生を抑制し、肺転移形成および皮下移植された腫瘍の増大を阻害することを報告した。一方、MRP-1(motility-related protein-1)と同一分子であるCD9は、細胞運動抑制能を有する膜貫通型糖タンパクであり、小細胞肺癌では発現が低下している。CD9発現の欠如した小細胞肺癌株にCD9遺伝子導入することで、SCIDマウスにおける肝転移能が低下することを明らかにした。また、骨転移に関しては抗腫瘍効果と破骨細胞活性抑制効果を併せ持つ新規抗生物質(リベロマイシンA)が、破骨細胞機能を抑制に加えて癌細胞からのPTHrP産生を抑制し骨転移形成を阻害することを明らかにした。リベロマイシンAは骨粗鬆症に対する効果も期待されており、骨粗鬆症および骨転移に対する臨床効果を評価すべく臨床試験を行うためのアプローチを検討中である。
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Research Products
(10 results)