2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌転移の臓器微小環境特性から見た分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
17016051
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
曽根 三郎 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40145024)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 聖二 金沢大学, がん研究所, 教授 (30294672)
西岡 安彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70274199)
埴淵 昌毅 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80335794)
柿内 聡司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50380100)
|
Keywords | organotropism / 骨転移 / 抗PTHrP抗体 / ビスフォスフォネート / HM1.24抗原 / ADCC / 耐性 / ゲフィチニブ |
Research Abstract |
肺癌転移の臓器特異性organotropismを規定する微小環境因子を同定し、それらを標的分子とした臓器特異的分子標的治療を開発することを目的に、肺癌のQOL阻害因子として特に臨床上問題となる骨転移および癌性胸膜炎に主眼をおいて研究を進め、以下の成果を得た。 PTHrPを高発現する小細胞肺癌株(SBC-5)の溶骨性骨転移モデルにおいて、抗PTHrP抗体とビスフォスフォネート製剤(ゾレドロネート)を併用することで、破骨細胞のアポトーシス誘導により強力に骨転移形成を抑制できることを示した。 また、ヒト肺がん細胞株の45%がHM1.24抗原を発現しており、interferon-β, γにより発現が増強されることや、ヒト化抗HM1.24抗体が抗体依存性細胞障害活性(ADCC)を誘導すること、IL-12やIL-15などのサイトカイン併用によりADCCが増強できることを報告した。さらに、ヒト化抗HM1.24抗体がHM1.24抗原を過剰発現した肺癌細胞株の皮下腫瘍増大を抑制することを明らかにした。 EGFR活性型遺伝子変異を有する肺癌に著効する分子標的薬ゲフィチニブに対する新たな耐性機序として、肝細胞増殖因子(HGF)がその受容体であるMETを活性化しPI3K/Akt経路の抑制を回復させる機構を明らかにした。さらに、臨床検体を用いた解析において、この機構が肺癌症例における自然耐性と獲得耐性の両方に寄与している可能性を示した。
|
Research Products
(21 results)