2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌転移の臓器微小環境特性から見た分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
17016051
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
曽根 三郎 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40145024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 聖二 金沢大学, がん研究所, 教授 (30294672)
西岡 安彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70274199)
柿内 聡司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50380100)
後東 久嗣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (00437641)
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Keywords | 樹状細胞 / 血管新生 / 骨転移 / 抗HM1.24抗原 / 薬剤耐性 / HGF / マルチキナーゼ阻害薬 / 胸膜中皮腫 |
Research Abstract |
肺癌の転移と薬剤耐性および胸膜中皮腫の分子機構を解析し、治療開発に向けての成果をあげた。 1. ヒト単球由来の成熟樹状細胞が、可溶型VEGF受容体1(sVEGFR1)を産生しVEGFの活性を中和することで、肺癌の腫瘍血管新生を阻害し腫瘍抑制に働くことを明らかにした。また、その関与の指標としてsVEGF1/VEGFが重要であることを示した。 2. ヒト肺癌細胞をNK細胞除去SCIDマウスに移植することにより、肺癌において初めて溶骨性骨転移のみならず造骨性転移をも形成する動物モデルを確立した。 3. HM1.24抗原が肺癌に過剰発現されており、抗HM1.24抗体が抗体依存性細胞障害活性(ADCC)および補体依存性細胞障害活性(CDC)による治療標的となること、IFNによりエフェクター細胞であるNK細胞を活性化することでマウスモデルでの抗腫瘍効果を増強できることを報告した。 4. EGFR活性型遺伝子変異を有する肺癌細胞において、間質の線維芽細胞が発現する肝細胞増殖因子(HGF)がゲフィチニブやエルロチニブ耐性を誘導することを明らかにした。また、不可逆型EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)はゲフィチニブやエルロチニブの獲得耐性機構として最も頻度の高いEGFRの二次的遺伝子変異(T790M)による耐性を克服する薬剤として期待されているが、HGFはゲフィチニブやエルロチニブのような可逆型EGFR-TKIのみならず不可逆型EGFR-TKIに対しても耐性を誘導することを見出した。
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Research Products
(26 results)