2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017017
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 滋 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (10252503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正勝 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (90323807)
|
Keywords | パターン形成 / 反応拡散 / Turing pattern / ゼブラフィッシュ / 形態形成 |
Research Abstract |
本研究では、色素パターンを作る原理を分子レベルで徹底的に解明する目的で、ゼブラフィッシュの縞模様を研究対象に選び、模様形成に関連する遺伝子の機能解析を中心に研究を行った。達成できた成果のうち主なものは以下のとおりである。 1) ゼブラフィッシュの模様変異遺伝子の機能に関して (ア) leopard遺伝子は、ギャップジャンクション(以下GJ)を作るcx418をコードしている。 (イ) cx418以外のGJ遺伝子でも、cx418と近縁なものでは、同様に模様を変異させることができた。 (ウ) このことは、cx418分子に固有の効果でなく、GJを通る低分子が、模様を作るシグナル因子の本体であることを強く示唆している。 (エ) Cx418のN端に作用して透過性を調節する分子(スペルミン)を分解する酵素を異所発現させると、模様が変異する。 (オ) Jaguar遺伝子(内向き整流Kチャンネル:以下Kir)の異所発現により模様が変異する。 (カ) Kirの変異は、色素細胞の精子電位を変化させることで、細胞間相互作用の感受性を制御している可能性がある。 2) ゼブラフィッシュの模様形成と色素細胞の関係に関して (ア) 色素細胞間の相互作用が、模様を作っていることを証明した (イ) 色素細胞間の相互作用は、反応拡散波形成の条件を満たすことを証明した (ウ) ゼブラフィッシュの縞模様が、レーザーによって引き起こされる修復過程で、反応拡散波の性質を保ったまま移動することを確認した。この事実は、ゼブラフィッシュの波が反応拡散波であることの直接の証明である。 以上の成果は、模様形成を行う分子経路の解明には必須のものであり、模様形成がどのようにして起きるかの解明、さらに体の中でどのような分子がTuring waveを作っているかについて、大きく前進した。
|
Research Products
(8 results)