2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム科学に対する一般市民、患者、研究者の意識に関する研究
Project/Area Number |
17019024
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | ゲノム / 全国調査 / リテラシー / 遺伝子 / ゲノム研究 / 意識 / 態度 / 科学リテラシー |
Research Abstract |
【目的】一般国民への大規模調査、広義の遺伝性疾患患者およびその家族への継続的かつ疾患横断的な研究、ゲノム科学研究者とゲノム医科学研究者に対する意識研究の3つを柱とし、未知の生物医学がもたらす人々の期待と不安を確認する。以上の研究により、ゲノム科学の推進および社会に応用される際の社会的基盤を整備するため、具体的な提言をすることを目的とする。 【方法】2005年、2008年に実施した一般市民のゲノム研究に関する意識調査の詳細分析、および2007年に実施した研究者2000人に対する調査を解析した。また、フォーカスグループインタビューを実施した。 【結果】疾患感受性遺伝子検査を受けたい(どちらかというと受けたい)とする人は2005年では50.9%、2008年では60.9%、薬剤応答性遺伝子検査ではそれぞれ66.0%、70.5%だった。多重ロジスティック回帰分析の結果、2005年、2008年ともに、医療に応用されるゲノム研究について関心があること、イメージがよいこと、ベネフィットを高く認知していることが遺伝子検査を利用したいとすることと有意に関連し、年齢が上がると遺伝子検査の利用に慎重な態度を示す傾向が見られた。科学コミュニケーションについて市民はテレビや新聞などのマスメディアによる情報を得ているが、研究者は講演会、インターネットなどによる情報提供を行っていた。 【結論】医療に対する応用である遺伝子検査も疾患感受性か薬剤感受性かで市民の意識が異なっている。また、遺伝子検査について利用したいとする要因が明らかになった。次年度、大規模調査を実施し、市民の意識の推移を観察し、ゲノム科学の推進および社会に応用される際の社会的基盤を整備するため、具体的な提言をまとめる。
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Research Products
(4 results)