2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17019032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 和人 Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (10202011)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / コミュニケーション / 生命倫理 / 社会との接点 |
Research Abstract |
1.平成18年度に実施した「ゲノムひろば」(ゲノム研究者と市民を含む非専門家との交流事業)での調査内容を分析し、調査結果と開催概要を報告書としてまとめた。平成19年10月には大阪で二日間「ゲノムひろば」を開催し、前年度の調査結果を裏付けるための新たなアンケート調査を行った。また「ゲノムひろば」での効果を確認するため、比較として平成20年1月に開催された成果公開シンポジウムで新たなアンケートを調査を行った。現在これらのアンケート調査を集計・分析中である。 2.ゲノム研究と社会とのコミュニケーションの新しい手法開発のために、(1)お寺を会場とした電子顕微鏡画像の写真展、(2)理研CDBと「ゲノムひろば」で新たなスタイルのサイエンスカフェを開催した。(1)からは、幅広い層を対象とした実践活動に1)会場設定、2)自然やアートなど多角的な視点の取込、3)考える場の提供が重要であることが明らかとなった。また(2)では、研究者と市民とが「対等な関係性」で対話をするために1)テーマ設定、2)研究者を一参加者とした進行、3)進行役の存在、が重要であることが明らかとなった。 3.特定の社会的課題に関するコミュニケーション活動の現状把握を目的に、遺伝子組み換え作物に注目した調査を行った。具体的には、政府審議会の議事録をもとに日本の遺伝子組換え関連制度の経緯・背景とそれらに関する言説の分析を行った。その結果1)現在の法的枠組みが国内外のガイドラインを包括的に踏まえていること、2)2001年頃より市民参画の必要性が政策決定の場で重用視されていること、3)コミュニケーションの成果を政策決定へ反映させる方法の確立が今後の課題であることが明らかとなった。
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Research Products
(17 results)