2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17019032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 和人 Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (10202011)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / コミュニケーション / 生命倫理 / 社会との接点 |
Research Abstract |
1. 「ゲノムひろば2009」の開催 東京・秋葉原のアキバスクエアを会場に、8月1日(土)2日(日)の日程で、「ゲノムひろば2009」を開催した。今回は、特定領域研究「ゲノム」4領域(平成17-21年度)の最終年度となることもあり、「研究者が街に出る」という当初からのコンセプトを強調し、会場を選択した。来場者総数は1,711人、出展研究者数は178人であった。 2. 「ゲノムひろば」運営体制に関する課題の検討 ゲノム研究者コミュニティにおける社会との接点活動をより効果的かつ効率的に継続して行うため、4年間(計5回)の「ゲノムひろば」の運営体制の検討と分析を行った。 必要な業務を事前・開催時・事後に分けリストアップし、民間業者に委託可能なもの、不可能なものに分類するとともに、運営体制を図式化し、各作業の課題を整理した。その結果、4つの課題が見出された。(1)大学経理のスタイルではイベント業務への研究費の支出に制約がある。(2)イベントの特殊性から運営を外部業者にすべて委託することは不可能。(3)イベントの効率化と参加研究者の負担軽減のためにサポートが必要。(4)運営を統括する組織に多大な負担がかかるため、専門的な人材の配置が不可欠。 3. 今後の課題の検討 5年間の活動と研究全体を振り返り、今後の課題を検討した結果、以下の2点が見出された。(1)「ゲノムひろば」スタイルの企画だけでは、より踏み込んだ双方向コミュニケーション(特に社会的・倫理的課題に関する議論)のための活動としては不十分であり、ゲノム研究者と市民(非専門家)が対話するだけのコミュニケーションのみでなく、研究の推進や応用技術についての具体的指針を検討するための双方向コミュニケーションの場が必要であること、(2)そうした取り組みのためには、現在は不足している専門的人材の配置が必要であり、人材の配置により活動の経験が蓄積され、研究者の負担軽減と活動の効率化を図ることができること。
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Research Products
(16 results)