2005 Fiscal Year Annual Research Report
完全長cDNAライブラリーを利用したトランスクリプトーム解析と技術開発
Project/Area Number |
17020002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅野 純夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60162848)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 真一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00313099)
土井 晃一郎 東京大学, 大学院・情報理工系研究科, 科学技術振興特任教員 (10345126)
中井 謙太 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60217643)
|
Keywords | ゲノム / 発現制御 / バイオテクノロジー / 蛋白質 / 生体分子 |
Research Abstract |
現在までに、ワラビーにつき各種臓器8種、ヒトデにつき幼生と卵の2種、馬について腱を1種、さらにクラミドモナスについて1種、計14種類の完全長cDNAライブラリーを作製した。また、ラットについて3種、カイコについて2種、ホヤについて1種、ショウジョウバエについて4種、計10種類の5'SAGEライブラリーを作製した。ショウジョウバエ、カイコ、ラットの5'SAGEライブラリー5種類については、5'端の配列決定を進め、計32万タグのデータを得ている。また、5'SAGE法の評価を行なった。この結果からほとんどのタグが転写開始点を示していることが示唆された。このことから5'SAGE法は遺伝子の完全長cDNAの完成および遺伝子発現を調節するプロモータ領域の解析に有用であると考えられた。 「比較ゲノム」と連携しライブラリーの作製を進めている。また、EST配列決定では、小原グループと連携している。さらに、現在、メダカゲノムプロジェクト(小原博士(遺伝研)、武田博士(東大理学部)、森下博士(東大新領域))においてこの5'SAGE法とコンピュータプログラムを用いてメダカ全ての遺伝子発現領域を決定、ならびに比較ゲノムを行っている。メダカの遺伝子領域は全ての臓器及び胎児期から作製した5'SAGEライブラリーから87万タグ解析して約1万9千となっている。5'SAGE法を用いてfull length cDNA及びESTがあまり収集されていない生物種においてgenome情報と5'SAGE法だけで遺伝子発現領域を決定した例は世界的になくこれが初めて試みである。5'SAGE法を用いた安価で高速な遺伝子領域決定法を確立することは今後のゲノム研究にとって大変重要である。
|
Research Products
(5 results)