2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (60181351)
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Keywords | 両眼立体視 / 両眼視差 / ステレオビジョン / 側頭葉 / 腹側視覚経路 / V4野 / 視覚情報処理 / ランダムドットステレオグラム |
Research Abstract |
側頭葉視覚経路の視知覚における機能的役割の解明を進めた。 (1)両眼奥行き知覚と両眼視差エネルギー情報との関係 一次視覚野(V1)で算出された両眼視差エネルギー情報は、直接的な形で、奥行きの知覚には反映されないと従来考えられきたが、この考えは、この数年得られてきている生理学的な研究成果との整合性ある説明が困難である。われわれは、この問題を再度、心理学的に検討した結果、両眼視差エネルギー情報は、直接的な形で奥行きの知覚に貢献しうることを示し、また、この振る舞いをシミュレーションで説明することに成功した。成果は、J. Vision誌に発表した。 (2)V4野細胞の奥行き知覚における役割 V4野細胞の奥行き知覚における機能的役割を明らかにするために、「細かい奥行き判断」を行っているサルのV4野ニューロンの活動を記録し、心理閾値近傍におけるその試行間変動と行動の試行間変動との相関を情報検出理論にもとづき検討を行った。両者の間には、統計学的な相関があることが判明し、V4野ニューロンの活動が、下流の神経システムに読み取られ、奥行き判断に用いられていることを示唆する結果となった。実験はさらに進行中である。
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Research Products
(22 results)