2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17026004
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
星野 真一 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40219168)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / 核酸 / 酵素 |
Research Abstract |
1)ポリA鎖短縮化(デアデニレーション)機構の解明 出芽酵母においてはmRNAのポリA鎖を分解する酵素(デアデニレース)は、Ccr4/Pop2複合体とPan2/Pan3複合体の二種類が主要な酵素として同定されている。本研究においては、eRF3/GSPTとPan2/Pan3複合体が相互作用することを免疫沈降実験から見い出し、Pan2/Pan3複合体との結合様式の詳細について明らかにした。また、PAN2/PAN3の欠失変異株を作製し、eRF3/GSPTの変異株との表現型の比較解析さらにはこれら変異株のかけ合わせ実験を行い、mRNA分解とポリA鎖短縮化過程を解析することにより、eRF3/GSPTとPan2/Pan3複合体が共通の反応過程において機能していることを証明した。 2)終結とmRNA分解の共役機構の種間保存性(ヒトへの還元) 申請者らは、酵母Pan2,Pan3と一次構造ならびに生化学的特性の両面において相同なヒトhPan2,hPan3のクローニングに成功し(Uchida et al.,JBC 2004)、ヒトにおいても酵母と同様なシステムが存在することを報告してきたが、ヒト培養細胞系を用いて、eRF3/GSPT、hPAN2/hPAN3の過剰発現、ドミナントネガティブ体や各種siRNAの適用により、mRNA分解やポリA鎖短縮化過程にeRF3/GSPT、hPAN2/hPAN3が関与していることを証明した。また、eRF3/GSPTと同様、hPan2/hPan3もPABPと相互作用することを見い出し、これら因子間の結合様式の詳細を解明し、eRF3/GSPTとhPan2/hPan3による「翻訳終結と共役したmRNAポリA鎖分解」の分子メカニズムを明らかにした。
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