2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17029023
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中垣 良一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20159057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲谷 繁 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00242529)
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Keywords | 光触媒 / 不斉反応 / アドレナリン / バナジン酸ビスマス / スーパーオキシド / 無機-有機ハイブリッド / エナンチオ選択的 / 銀担持 |
Research Abstract |
本研究の当初の計画では、バナジン酸ビスマス(BiVO_4)光触媒の表面に不斉反応場を与えるシクロデキストリンを固定化した無機-有機ハイブリッド型不斉光触媒を開発することを目的とした。しかしながら、固定化する前のシクロデキストリンを用いたフェノール類の不斉開環反応について予備的な検討を行ったところ、シクロデキストリン固定型BiVO_4を合成したとして、不斉光触媒としての機能を有することはあまり期待できないと判断した。そこで、銀担持(Ag-BiVO_4)光触媒の表面にアミノ酸・ヒドロキシル酸などの不斉反応場を与える有機物を固定化した無機-有機ハイブリッド型不斉光触媒を開発し、O_-^2が関与する不斉光触媒反応を検討する研究計画に変更した。 この研究では、Ag-BiVO_4の表面水酸基とアミノ酸・ヒドロキシル酸(L-フェニルアラニン、S-フェニルこはく酸、S-マンデル酸)のカルボキシル基をエステル縮合し、Ag-BiVO_4表面にアミノ酸・ヒドロキシル酸を固定化する新規合成法を開発した。この方法で固定化したアミノ酸・ヒドロキシル酸の密度は、約1〜2mol/gであった。つまり、修飾密度は、1nm^<-2>単位面積あたりに6〜10分子存在することになる。このように、本研究で開発した固定化法により、上記に示すアミノ酸・ヒドロキシル酸をAg-BiVO_4表面へ高密度に固定化することが可能となった。 これらの光触媒を用いて、アドレナリンの光環化反応におけるエナンチオ選択性を調べた。光照射時間とともに300nmと480nm付近に二つのブロードな吸収バンドが現れることから、アドレナリンがO_-^2と反応して着色体であるアドレノクロムを与えることが確認できた。しかしながら、円二色性スペクトルの測定からは、アドレナリンの光環化におけるエナンチオ選択的な反応は確認できなかった。
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Research Products
(1 results)