2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17046017
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 晃一 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20211849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 芳樹 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90323451)
栗本 英治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (90234575)
高橋 禮子 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 客員教授 (90079989)
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Keywords | 生体生命情報学 / 分子認識 / 生体分子 / 糖鎖 / 薬学 |
Research Abstract |
糖タンパク質の安定同位体標識の技術基盤を応用して、免疫グロブリンG(IgG)のFc領域のグライコフォーム変化に伴う高次構造変化を920MHz超高磁場NMR装置を用いて追跡した。これにより、ヒトIgG1のFc領域のレセプター結合部位の構築においてAsn297に結合している糖鎖の還元末端近傍の構造が不可欠な役割を演じていることを実証した。とりわけ、還元末端近傍のフコース残基の除去により、Fcの全体構造にはほとんど変化はみられないものの、Fcレセプター結合部位に相当するTyr296に由来するNMRシグナルが顕著に広幅化していることを明らかとした。このことは、レセプター結合部位が何らかの化学交換を起こしていることを示している。すなわち、フコース残基の欠落によりFcレセプターとの親和性が向上する理由の一つとしてこうした局所構造の揺らぎが関与していることが示唆された。また、超高磁場NMR装置を用いてコンドロイチンやβ-グルカンなどの多糖や糖脂質ミセルなどの巨大分子複合体を対象とした溶液・固体NMRの計測法の基盤を整えることができた。 さらに、多次元HPLCマップ法を基盤技術とした一連のグライコミクス解析を分子レベル、細胞レベル、組織レベルで実施した。特に、ガングリオシドと糖タンパク質問の糖鎖間相互作用にあずかる糖鎖構造の同定、インフルエンザウイルスの結合に関わるトリ腸管のN型シアロ糖鎖プロファイリング、自己免疫疾患における血清IgGの糖鎖構造の変化の追跡に本方法を応用するとともに、質量分析法による糖鎖プロファイリングの定量性を本方法との比較において評価した。
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Research Products
(15 results)