2006 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜免疫監視の場としてのGALT・NALTを介した免疫制御誘導の解明
Project/Area Number |
17047009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
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Keywords | 鼻咽腔関連リンパ組織 / バイエル板 / リンフォイドケモカイン / 原基 / 胚中心 / 経鼻ワクチン |
Research Abstract |
鼻咽腔関連リンパ組織(nasopharynx-associated lymphoid tissue ; NALT)は、腸管におけるパイエル板と同様の粘膜関連リンパ組織の一つである。上気道の免疫監視機構の解明にはNALTの形成メカニズムを明らかにする事が不可欠である。 リンフォイドケモカイン(CXCL13,CCL19,CCL21)は二次リンパ組織の初期形成に必須である。まずNALTの初期形成におけるリンフォイドケモカインの役割について検討した。CXCL13欠損マウス胎生期の腸管にはCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積を認めず、その結果、バイエル板は形成されなかった。ところがCXCL13欠損マウスのNALT原基にはCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積が確認された。CCL19及びCCL21の発現不全マウスであるpltマウスのNALT原基にはコントロールマウスと同等のCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積を認めた。以上の結果からリンフォイドケモカインはNALT初期形成に関与しないことが明らかとなった。 リンフォイドケモカインはリンパ組織構築の成熟化に重要な役割を果たしている。そこで我々はNALT組織構築への関与について検討した。CXCL13欠損マウスでは特にB細胞の遊走が傷害されており、NALTのB細胞領域がほとんど認められなかった。コレラトキシンを用いた経鼻免疫によりコントロールマウスのNALTには胚中心が形成されるが、CXCL13欠損マウスのNALTには胚中心は認められなかった。一方でpltマウスのNALTはT細胞領域の形成不全を認めた。以上の結果から胚中心形成やT/B細胞領域などNALT組織構築の成熟化にはリンフォイドケモカインが必須であることが明らかとなった。 このようにNALTの形成初期から成熟化にかけてリンフォイドケモカイン依存性の変化を示すことができた。
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Research Products
(11 results)