2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト性分化機構に対するプロテオミクスからのアプローチ
Project/Area Number |
17052017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 陽一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10363160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中堀 豊 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10172389)
新家 利一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (10311820)
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Keywords | 性分化 / SRY / プロテオミクス |
Research Abstract |
精巣決定因子としてSRY(sex determining region on the Y chromosome)が発見されてから15年間が経つが、未だにどのような機構で精巣が形成されるか分かっておらず、また、SRYはDNA結合領域をもち転写調節因子だと考えられているが、そのターゲット遺伝子も明らかとなっていない。そこで、私たちはSRY影響下にある因子を解明するため、ヒト精巣腫瘍由来の細胞を用いて、SRYを過剰発現させることにより、発現量が変化する因子をプロテオミクス、マイクロアレイの手法を用いて解析を行った。 その結果、プロテオミクス解析においてはSRYの過剰発現により、多くのタンパク質の発現が抑制されており、抑制されたタンパク質の多くはタンパク質の合成やおりたたみ(folding)といった分子シャペロン的機能をもつタンパク質であることがわかった。マイクロアレイ解析からはup regulateされた遺伝子の多くは転写調節因子であるzinc finger proteinであることがわかった。この中でZNF208は各臓器と比べ、精巣において最も強く発現していることがわかった。また、SRYの発現は細胞周期におけるG2/M期にダメージを与え、細胞増殖に影響を及ぼしていることも明らかとなった。 以上の結果より、通常なら女性に進むはずの分化がSRYが発現したことにより、細胞の増殖が抑制的に働き、細胞の分化が変化し、男性の決定へと導かれる可能性が考えられた。
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Research Products
(5 results)