2008 Fiscal Year Annual Research Report
パレスチナにおける都市の発達と「セム」系民族の展開
Project/Area Number |
17063013
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
月本 昭男 Rikkyo University, 文学部, 文学部 (10147928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山我 哲雄 北星学園大学, 経済学部, 教授 (80230332)
牧野 久実 鎌倉女子大学, 児童学部, 准教授 (90212208)
市川 裕 東京大学, 文学部, 教授 (20223084)
桑原 久男 天理大学, 文学部, 教授 (00234633)
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Keywords | アナハラト / イスラエル / 聖書考古学 / 初期鉄器時代 / アマルナ文書 / 都市の発達 |
Research Abstract |
(1) イスラエル国テル・レヘシュ遺跡における発掘調査2008年8月3日〜31日に第4次発掘調査を実施した。発掘調査においては、都市の城門であったと考えられる遺構が検出され、また地表に露出している石列の測量調査を行った結果、遺跡丘の縁に沿って周壁が存在していることを確認できた.また鉄器時代1期の町が遺跡全体に及んでいるのに対し、鉄器時代II期の遺構は遺跡丘の頂上付近に限定されていることが明らかになった。これらの知見から、中期青銅器時代から鉄器時代にかけてセム系民族が居住した都市の構造や変遷が明らかになりつつある。また、後期青銅器時代から初期鉄器時代のオリーブ搾油施設や、土製人面や香炉台などの宗教遺物が複数出土したことで、都市の産業や宗教に関わる手掛かりを得ることができた.テル・レヘシュの調査成果は、6月に鎌倉女子大学で開催された研究会、及び12月に八王子市市にて開催された研究会で検討され、パレスチナで展開したセム系都市の1事例として提示することができた。関連する研究成果は研究代表者、研究分担者、および研究協力者によって日本オリエント学会や日本西アジア考古学会で、学術発表された。 (2) 研究代表者が、マリ文書に現れるセム系遊牧部族に関する資料収集と、アマルナ書簡の再検討を行った。これらの成果を総合的に考察するための研究会を3月に立教大学で開催した。研究会では、セム系遊牧部族の性格や、セム系民族の都市と周辺の遊牧民との関係についての検討がなされた。学術発表に向けて準備中である。
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Research Products
(10 results)