2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17069003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩佐 義宏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20184864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹延 大志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70343035)
下谷 秀和 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60418613)
竹谷 純一 電力中央研究所, 材料科学研究所, 主任研究員 (20371289)
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Keywords | 有機電界効果トランジスタ / 有機分子性単結晶 / 有機半導体 / 金属界面 / 仕事関数 / 両極性伝導 / 電荷注入 / 電荷蓄積 / 自己組織化単分子膜 |
Research Abstract |
分子どうしの接合(ナノリンク)が有機電界効果トランジスタなどの実デバイスにおける機能発現の基本要素であるとの認識に基づいて、接合の特徴がデバイス機能に与える影響を明らかにするとともに、逆にトランジスタ応答などのマクロな特性をナノリンクの物性解明の手段とすることが、本特定領域研究における当課題の担当事項である。今年度はその端緒として、1)金属電極のバリエーションによる有機トランジスタ特性の系統的変化、及び2)有機半導体内での有機分子間のキャリア伝導機構を、当グループの開発した有機単結晶トランジスタを用いて精密に調べた。有機単結晶トランジスタでは、有機分子が均一に規則正しく配列している一体の分子集合であるために、外部との接合の効果や内部での分子どうしの結合の効果を抽出するのに適している。 1)同じ有機単結晶材料を用いても、トランジスタのソース・ドレイン電極として異なる仕事関数をもつ金属を系統的に変化させることによって、p型から両極性型、さらにn型トランジスタへと自由にコントロールできることを明らかにした。これは、不純物ドープによってあらかじめp型またはn型に決まって無機半導体どうしの接合では、不可能であって、"フェルミレベルピニングが弱い"という有機半導体の特色を利用したユニークな効果である。本結果は、次頁の研究発表リスト1のとおり論文発表されている。 2)有機トランジスタとして初めてホール効果測定に成功し、互いにあからさまな化学結合のない有機分子が配列した有機半導体においても、無機半導体同様に電界効果注入されたキャリアが分子をまたいで空間的に広がることを明らかにした。この結果は、有機トランジスタの単なる性能向上とそれによる広範なデバイス応用への展開に根拠を与えるとともに、ホール効果が単一の分子間のミクロなキャリア分布をプローブする手法になることを示している。本結果は、次頁の研究発表リスト2のとおり論文発表されている。
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Research Products
(37 results)