2005 Fiscal Year Annual Research Report
無機リン酸トランスポートソームの機能制御とその破綻
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17081013
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 賢一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70174208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 豊 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30263825)
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Keywords | リン / 腎尿細管 / トランスポーター / エンドサイトーシス / 脂質マイクロドメイン / PTH / Ezrin |
Research Abstract |
生体における無機リン酸(以下リン)は、生体膜、エネルギー、核酸、細胞内シグナル、骨格素材などに利用される極めて重要な生体構成成分である。細胞外リン濃度の調節は、腎近位尿細管リン再吸収システムが担っており、このうちtype IIaおよびtype IIcナトリウム依存性リントランスポーター(type IIa/type IIc)は、その機能を担う中心的分子である。今年度より、無機リン酸トランスポーターをモデルとして(1)リントランスポートソームの構成成分の同定、(2)トランスポートソームの構造と細胞内局在との関係、(3)PTHをはじめとする各種ホルモンによる活性調節とトランスポートソームとの関係、(4)トランスポートソームの破綻とリン代謝異常症との関係を研究することで、リントランスポートソームの生理機能を解明する研究に着手した。平成17年度7月から平成18年3月までに、以下のような研究を行った。1)リントランスポートソームの構造と機能調節では、脂質マイクロドメインへ局在するリントランスポートソームの構造解析を行う為、マイクロドメイン分画および免疫沈降法によりトランスポートソームを分離し、プロテオミクス解析法によりリントランスポートソーム構成蛋白の同定を行う為の条件の検討を加えた。さらに、2)脂質マイクロドメインへのTargetingに必要な蛋白/脂質との相互作用の解析では、トランスポートソーム構成蛋白の一つであるEzrinに注目し、RNAiあるいはドミナントネガティブ体の作成を行い、その重要性を明らかにした。3)トランスポートソーム構成成分の異常と疾患に関する研究では、リントランスポートソーム構成成分の一つと考えられるtype IIc Na/Pi cotransporterのKOマウスを作製した。これらの動物において、リントランスポートソームの細胞内トラフィッキングを調節する機能異常が低リン血症の原因である可能性を検討している。さらに、常染色体性低リン血症クル病(HHRH)の患者解析を行い異常部位を明らかにした。
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Research Products
(10 results)