2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外リガンドと受容体の相互作用を"見る"-そのシグナリングにおける構造的側面-
Project/Area Number |
17082004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20342751)
禾 晃和 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40379102)
|
Keywords | インテグリン / リーリン / シグナル分子 / 受容体 / X線結晶解析 / 電子顕微鏡 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
本研究では、種々のインテグリンとそのリガンド、あるいは本領域の他の計画班員の研究対象である種々のECM関連蛋白質、シグナル分子とその受容体について、それら単独、あるいは複合体の構造を電子顕微鏡イメージング、X線結晶解析などの構造生物学の手法を駆使して明らかにし、同時にそのcell-freeでの相互作用の物理化学的性質(キネティクスなど)を組み替え蛋白質を使って詳細に調べることを目的としている。 本年度は、脳の層構造形成に重要な細胞外因子であるリーリンについて、その受容体結合活性に必要な最小単位の決定をおこなった。得られたリーリンフラグメントはマウス初代培養ニューロンに対してアダプター蛋白質Dab1のリン酸化を誘導し、受容体結合能だけでなくシグナル伝達活性も保持していることがわかった。また、このフラグメントは溶液中ではモノマーの状態で存在し、ニューロンへのシグナル伝達に受容体の膜上での多量体形成は必須でないことが示された。また、活性フラグメントについて電子顕微鏡イメージングによって低解像度の立体構造を得、巨大なReelin分子の3次元情報を得ることに成功した。ここまでの成果は現在論文投稿中である。 また、ラミニン結合性インテグリンであるα6β4の立体構造決定のため、組み換え蛋白質を動物細胞発現系を用いて生産した。野生型では結晶化不可能であったため、3カ所の糖鎖結合部位を除去した変異体を作成した結果、良好な溶液挙動を示す試料が得られ、現在結晶化を試みている。 さらにオックスフォード大学のP.Handford教授との共同研究で、fibrillin-1とインテグリンの間の結合キネティクスを解析し、fibrillin-1がαVβ3とは強く結合するが、おなじRGD認識型のα5β1インテグリンにはほとんど結合しないことを発見した(論文投稿中)。
|
Research Products
(4 results)