2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外リガンドと受容体の相互作用を"見る"-そのシグナリングにおける構造的側面-
Project/Area Number |
17082004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20342751)
禾 晃和 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40379102)
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Keywords | インテグリン / 基底膜 / シグナル分子 / 受容体 / X線結晶解析 / 電子顕微鏡 / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
本研究では、種々のインテグリンとそのリガンド、あるいは本領域の他の計画班員の研究対象である種々のECM関連蛋白質、シグナル分子とその受容体について、それら単独、あるいは複合体の構造を電子顕微鏡イメージング、X線結晶解析などの構造生物学の手法を駆使して明らかにし、同時にそのcell-freeでの相互作用の物理化学的性質(キネティクスなど)を組み替え蛋白質を使って詳細に調べることを目的としている。 本年度は、脳の層構造形成に重要な細胞外因子であるリーリンについて、その受容体結合活性に必要な最小単位の構造決定をおこなった。昨年度に得られた最小リーリンフラグメント(R56)を結晶化し、その立体構造を2.0分解能で決定した。また、受容体結合に必須なLys残基の同定にも成功した。この成果は現在論文投稿中である。 また、ラミニン結合性インテグリンであるα6β4の立体構造決定のため、組み換え蛋白質を動物細胞発現系を用いて生産した。野生型では結晶化不可能であったため、3カ所の糖鎖結合部位を除去した変異体を作成した結果、良好な溶液挙動を示す試料が得られたが、結晶化に至らなかったためC末端のアミノ酸配列をさらに短くしたコンストラクトを用いて再び安定発現細胞株を樹立した。また、3つのラミニン結合性インテグリン(α6β4、α6β1、α3β1)をすべて組み換えによって動物細胞で発現・精製し、BIAcoreを用いた結合キネティクス解析を行った。それによってα6β4インテグリンのみが早い結合と早い解離からなる特徴的なキネティクスを示すことがわかった。この成果は2006年6月のゴードン会議(イタリア)で発表した。 昨年度オックスフォード大学のP.Handford教授と共同で行った、fibrillin-1とインテグリンの間の結合キネティクス解析も終了し、論文発表した(Jovanovic, JBC in press)。
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Research Products
(6 results)