2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外リガンドと受容体の相互作用を"見る"―そのシグナリングにおける構造的側面―
Project/Area Number |
17082004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 淳一 Osaka University, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (20342751)
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Keywords | インテグリン / 基底膜 / シグナル分子 / X線結晶構造解析 / 電子顕微鏡イメージング / 細胞外マトリックス / 受容体 |
Research Abstract |
(1) シナプス間接着装置の構造解析:ニューロン同士を連結するシナプス間の主要な接着装置であるニューレキシン・ニューロリギン複合体の立体構造をX線結晶解析によって3.3Å分解能で決定した。同複合体は結晶中で高次の二次元状平板構造を取っており、この分子構造が細胞上でも形成されることを、蛍光-電子線相関顕微観察法を用いて培養細胞を使って確認することに成功した。 (2) Wntシグナル伝達系、および神経シナプス接着部位のリガンド・受容体複合体の構造解析:Wnt3AとそのアンタゴニストDkk1について安定発現細胞株を樹立し、両者とも精製に成功した。Dkk1については、プロテアーゼ切断と質量分析によって、O結合型糖鎖の付加するアミノ酸残基を決定することができた。神経シナプス接着装置であるneuroligin/neurexin複合体については3.5Å分解能の立体構造の決定を終了した。また、Wntのco-receptorであるLRP6の細胞外領域について電子顕微鏡による単粒子解析を、二次元平均像の取得だけでなく、ランダムコニカルチルト法によって3次元構造をも取得した。 (3) 電子線トモグラフィーによる細胞接着装置の可視化:人工的にリポソームに埋め込んだ接着分子をクライオ条件で撮影し、その接着構造の明確な可視化に成功した。 (4) α5β1インテグリンのX線結晶解析:本年度は結晶化を目指したα5β1インテグリンのコンストラクトの改変と、構造安定化のためのモノクローナル抗体Fabフラグメントとの複合体形成を行った結果、結晶化に成功した。現在この結晶から4Å程度の分解能のデータを得、位相決定まで済ませ、構造解析を進行中である。
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Research Products
(22 results)