2006 Fiscal Year Annual Research Report
中近世風俗画の高精細デジタル画像化と絵画史料学的研究
Project/Area Number |
17102001
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
黒田 日出男 立正大学, 文学部, 教授 (90013284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 迪夫 上智大学, 国際教養学部, 教授 (70099927)
玉井 哲雄 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究系, 教授 (80114297)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
杉森 哲也 放送大学, 教養学部, 准教授 (20226468)
藤川 昌樹 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 准教授 (90228974)
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Keywords | 風俗画 / 都市図屏風 / 絵巻 / 曼茶羅 / ピクショナリー / PICTIONARY / 合戦図屏風 / 絵画史料論 / 甲陽軍鑑 |
Research Abstract |
第二年次の研究活動の、第一としては、研究資源の整備として、中・近世の絵巻物や大画面の風俗画諸作品の8×10サイズカメラによる撮影とデジタルデータ化を推進した。デジタルデータ化に際しては所蔵者のもとに精度の高い既存のポジフィルムがあれば借用してデジタルデータ化するなど、経費の節減に最大限の注意を払った。具体的な作品としては『日蓮聖人註画讃』(本圀寺)『洛中洛外図屏風(歴博甲本)』(歴博)『江戸図屏風』(歴博)『天下祭図屏風』(京都個人)『洛中洛外図屏風』(岐阜市歴博)『洛中洛外図屏風』(米沢市上杉博)である。第二に、システム開発としては前科研基盤研究より継続して開発してきた"Pictionary"(大画面画像を高精細デジタル画像として閲覧、テキストベースのデータベース構築・検索、両機能を持ったプラットフォーム)を、非常に高い完成度で仕上げた。第三に、共同研究の成果としては『大坂夏の陣図屏風』の基礎的なデータを作成、"Pictionary"に書き込んだ。これをもとに本科研と大阪城天守閣の学芸員との共同研究をはじめるための準備段階に入りつつある。今後、本科研と公立・私立の博物館・美術館などの研究機関と共同研究を行なっていく上での試金石となるであろう。第四に、完成しつつある「林原本洛中洛外図屏風高精細デジタル画像DB』については、公開の条件を詰めつつある。システム搭載のPCを、東京大学史料編纂所図書室や所蔵者(財)林原美術館に設置するなどの方向性が決定したので、次年度以降、作業に入る。第五に、上記『大坂夏の陣図屏風』の研究を進めるための基本史料である『甲陽軍鑑』の書誌学的・内容的検討も進めた。関連して中世末〜近世の武家故実や合戦について記述する文献類を調査、語彙データベース構築の準備作業を進めた。
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Research Products
(7 results)